障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

2000年度事業計画

はじめに


 日本障害者協議会は、本年4月19日でその前身である国際障害者年日本推進協議会から数えて結成20年(1980年に結成)をむかえた。国際障害者年(1981年)は、わが国の障害分野の発展にとってかけがえのない意味をもたらすこととなったが、国際障害者年日本推進協議会の誕生もまた国際障害者年が残した重要な成果の一つであった。以来20年間にわたり、「国連・障害者の十年」(1983年~1992年)から「アジア太平洋障害者の十年」(1993年~2002年)への流れと軌を一にしながら、途中1993年に日本障害者協議会(略称JD=Japan Council on Disability)と改称し、障害種別や分野・領域をこえた民間団体として活動を展開してきた。数々の政策提言やこれをもとにしての国会・関係省庁へのはたらきかけ、広報活動やフォーラム(旧国民会議)の開催等による市民啓発・団体間の交流、関係団体との連携による国際交流活動ならびに情報・通信分野の活動等、多岐にわたり多くの実績を残しつつある。

 本協議会の20年間の足跡を振り返るにあたり、まずは結成時ならびにその後の事業・活動展開にあたって中心的に、または側面から数多くの人々が関与し支えていただいたことを忘れてはならない。と同時に、節目となるこの時期に過去を省みるだけではなく本協議会が抱える課題や困難な状況を十分に整理し、事業・活動のあり方や財政問題を含め、本協議会全体の近未来像を論じ合う必要がある。

 なお、この一年間についてみると障害分野に関わっていくつかの重要な動きがあり、事態の好転にむけて本協議会としても積極的な役割を果たしていかなければならない。まず重点が置かれるべき国内の課題としては、継続テーマとなっている欠格条項の改正(撤廃)、終局を迎えている社会福祉事業法等の改正にともなう関連制度の見直し(省令・政令・要綱・通知等の策定)、障害者プランや市町村障害者計画の推進および新障害者プラン策定の準備、省庁統合と既存審議会(中央障害者施策推進協議会含む)廃止にともなう障害分野に関する新たな行政組織・審議会づくりの準備などがあげられる。この他「アジア太平洋障害者の十年」の最終年(2002年)にむけた記念諸事業についても、関係団体と連携を図りながら準備のための活動を開始していきたい。  また、国際的にも重要な動きが見られる。主なものとしては、「国際障害分類」についての改訂作業のとりまとめ(2001年WHO総会で決定)、「障害者差別禁止法」制定のひろがり(アメリカやイギリスに続いてスウェーデン、インドでも)、「障害者権利条約」採択(国連総会にて)推進等の動きがあげられる。

 こうした国内外の重点的な動向を全体的にとらえながら、また個々の課題について十分に吟味を加え、適時に対処していくことが求められる。

 以下、本協議会における2000年度事業の具体的な内容を記すこととする。

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