障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

24年10月16日更新

2024年秋衆院選 障害者政策に関する、政党への公開質問状とその回答

 2024年10月27日に予定されている衆議院議員選挙に向けて、障害者政策に関する「政党公開質問状」を各政党に提出しました。 10月16日時点でいただいている回答を掲載いたします(10月11日公表済み)。

質問状の提出先と回答の状況
立憲民主党/日本維新の会/公明党/日本共産党/れいわ新選組/社会民主党
◇政党の並びは左から公示前の勢力順です。

migi各政党からの回答はこちらをご覧ください。

Q1 優生保護法最高裁判決を踏まえた対応について
 優生保護法による強制不妊手術などの被害者39人が国を訴えていた優生保護法裁判について、7月3日、最高裁判所大法廷は、「優生保護法は立法当初から憲法違反である」と断じました。9月30日に原告・弁護団、優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会(優生連)と国との間で「基本合意」が締結され、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者等に対する補償金等の支給等に関する法律案」(補償法)が制定する見込みとなりました。しかし、優生保護法の全面解決はこれからであり、今後国として優生保護法問題への向き合い方、さらに人権施策のあり方について貴党の考えをお教えください。
 以下の選択肢から、優先すべきと考える2つに○を付けてください(1つでもよい)。
① 原告団、弁護団、優生連と国との間で、基本合意文書に関する定期的な協議の場を設け、すべての優生保護法被害者への補償と尊厳回復、徹底した調査及び検証など、同じ過ちを繰り返さないために必要な制度や取組を検討すべきである。
② 人権侵害を繰り返さないために、障害者権利条約とパリ原則に則った国内人権機関を設置すべきである。
③ 社会に蔓延する優生思想に基づく障害者差別を根絶するために、障害のある人の意見を聞き、市民社会と協力して継続的な人権啓発に努めるべきである。
●その他、お気づきのことがあれば自由に記述してください(300字以内)。
Q2 防災ならびに災害対策について
 2011年の東日本大震災では、障害のある人の死亡率は障害のない人の2倍だった、との報告もあります。元日の能登半島地震、さらに9月の豪雨と、能登の被害は甚大であり、被災された方々の復興は遠のいたと言わざるをえません。障害のある人や高齢者の生活はさらに厳しい状況に追いやられています。昨今の気候変動の影響も大きく、大災害がいつ、どこで起きるかの予測は困難です。障害がある人にとっての安心・安全のための施策にも再検討が求められています。生命に直結する防災ならびに災害対策について、貴党の考えをお教えください。
 以下の選択肢から、優先すべきと考える2つに○を付けてください(1つでもよい)。
① 障害のある人にとっては避難所まで行くことにも困難があり、まずは一次避難所までのアクセシビリティを高める方策を進めるべきである。
② 避難所の環境は障害のある人にとって利用しづらい現状であるが、地域特性に応じ、在宅避難も含めて配慮された福祉避難所に避難できるよう整備されるべきである。
③ 災害時に備えて、障害のある人と一緒の避難訓練を防災の専門家を交えて地域ごとに実施されるべきである。
④ 災害時に備えて、障害のある人と一緒の避難訓練を防災の専門家を交えて地域ごとに実施されるべきである。
●その他、お気づきのことがあれば自由に記述してください(300字以内)。
Q3 障害のある人の投票について
 障害者権利条約や障害者差別解消法の理念を踏まえ、「障害がある人々の投票行為について合理的配慮を欠くことは差別である」との認識に立ち、当会はさまざまな活動を続けています。総務省や地方自治体でも対策が検討されていますが、地域格差は大きく、対応マニュアル作成と活用が求められます。今回の衆議院選挙を機に、さらなる進展をめざしたいと考えます。すべての障害のある人が選挙権を行使するためにどのような支援が求められるか、貴党の考えをお教えください。
 以下の選択肢から、優先すべきと考える2つに〇を付けてください(1つでもよい)。
① 投票所は全ての人々の移動可能な場所に設置するとともに、段差の解消、車いす用トイレの設置など、バリアフリー化の徹底に取り組むべきである。
② 選挙公報は、点字版、拡大文字版、音声版、分かり易い版の作成など、障害のある人に情報が確実に届くことを徹底すべきである。
③ 郵便投票は対象が限定されており、希望する全ての障害のある人を対象にするとともに、手続きの簡素化をすすめるべきである。
④ 被害者への謝罪はもちろん、家族も含めた補償を検討し、優生思想根絶のための人権教育を実施すべきである。
●その他、お気づきのことがあれば自由に記述してください(300字以内)。
Q4 所得保障のあり方について
 障害のある人の所得については、就労の機会が得にくいことや障害年金が十分でないことなどにより、日常生活を送ることにも困難があり、「貧困」と言わざるをえない状況にあるという調査結果も報告されています。結果として、家族に依存せざるをえない、生活保護を受給するしかない、といった状況に置かれている障害者も数多く存在しています。このような状況を打開するための所得保障のあり方について、貴党の考えをお教えください。
 以下の選択肢から、優先すべきと考える2つに○を付けてください(1つでもよい)。
① 企業等に就労して安定した収入を得られるよう、障害者の就労支援施策を拡充すべきである。
② 賃金補填など、障害者を含めた「労働弱者」に対する保護雇用制度を確立すべきである。
③ 福祉的就労の場に雇用契約を位置付け、年金とあわせて生活できる収入を保障すべきである。
④ 障害基礎年金の増額や認定方法など、障害年金の抜本的な改革を検討すべきである。
⑤ 家族依存を求める民法の「扶養義務制度」そのものを検討すべきである。
●その他、お気づきのことがあれば自由に記述してください(300字以内)。
Q5 精神障害者政策のあり方について
 国連の障害者権利委員会の日本への「総括所見」でも、長期入院や強制入院など精神科医療の現実が厳しく批判され、施設入所とともに地域への移行が強く求められました。また、精神科病院は一般病院より医師や看護師が少ない配置が認められており、他の医療との格差が生じています。また、入院中の身体拘束がこの10年間で2倍になっている事実もあり、精神障害者の支援については多くの問題が指摘されました。また、報道による「死亡退院」などの言葉も注目され、現在の精神科医療、福祉支援のあり方には国内外で多くの課題が指摘されています。このような精神障害者施策について、貴党の考えをお教えください。
 以下の選択肢から、優先すべきと考える2つに○を付けてください(1つでもよい)。
① 自由剥奪の強制入院につながる医療保護入院や措置入院について、抜本的な検討をすべきである。
② 虐待にもつながる差別的な精神科医療の抜本改革を検討し、精神科医療を特殊化しない改革を徹底すべきである。
③ 精神科病院に入院中の患者に対し、意思決定支援など地域の支援者やピアサポーター等と信頼関係を築き、本人が自らの生き方を実現できる支援を充実すべきである。
④ 退院後の住宅や福祉サービスなど、家族に頼らなくとも地域で暮らせる支援システムを拡充すべきである。
⑤ 精神障害者に根強い差別・偏見を解消するための人権啓発のあり方について市民社会の協力も得ながら検討し、継続して実施することが求められる。
●その他、お気づきのことがあれば自由に記述してください(300字以内)。
Q6 マイナンバーカードの健康保険証利用(「マイナ保険証」)について
 障害のある人にとって、健康管理は障害がない人以上に大きな課題です。医療を受診するにあたり、健康保険証は重要な役割を果たしています。今、政府は任意取得のマイナンバーカードを健康保険証と一体化した「マイナ保険証」の取得を推進しています。本年12月2日に、現行の健康保険証を廃止(新規発行停止)する方針です。障害のある人にとって、マイナンバーカードの取得・管理にはさまざまな支援が必要ですが、そのような配慮や体制整備はなされていません。カード取得が困難という人も多く、取得できても顔認証や暗証番号の入力等のハードルがあり、現行の健康保険証を残してほしいという声があります。また、マイナ保険証には有効期限があり、更新手続きをしなければ無保険状態となるという大きな不安も広がっています。こうした問題が指摘されているマイナ保険証について、貴党の考えをお教えください。
 以下の選択肢から、優先すべきと考える2つに○を付けてください(1つでもよい)。
① 予定通り12月2日に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証への一本化をすすめるべきである。
② 現行の健康保険証の廃止方針は維持するが、マイナ保険証への不安の払拭に努めるべきである。
③ 現行の健康保険証の廃止を延期し、しばらくの間はマイナ保険証と併存させるべきである。
④ 障害のある人や高齢者等が安心して利用できるまで、現行の保険証を残すべきである。
⑤ 現行の保険証の廃止を撤回し、今後も健康保険証とマイナ保険証を併存させていくべきである。
●その他、お気づきのことがあれば自由に記述してください(300字以内)。
Q7 貴党の障害者政策の特徴について
 貴党の障害者政策で、衆議院議員選挙にあたり最も訴えたいことは何でしょうか。自由にお書きください。また、冊子やホームページなどで公表されている障害者政策のURLなどをお教えください。




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