障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

10年6月24日更新

4.「障害者自立支援法」の「応益(定率)負担」について

 障害者自立支援法については違憲訴訟の合意文書において、「応益負担(定率負担)制度を廃止」することが約束されています。こうした状況も踏まえ、下記の設問について改めて貴党のお考えをお聞かせください。



Q4-1


 昨年8月衆議院選挙の際は、応益負担について下記の選択肢からお答えいただきました。現在の貴党のスタンスはいかがでしょうか。


  1. 「障害福祉サービスや自立支援医療は特別対策の継続により実質応能負担とし、法令上もその表現を明示するが、根本的には応益(定率)負担の原則」は堅持すべきである。
  2. 「障害福祉サービスや自立支援医療は応能負担」を原則とすべきである。
  3. 「障害福祉サービスや自立支援医療は無料」を原則とすべきである。
  4. 何ともいえない。

それぞれのご回答についての理由をお聞かせください。(200字以内)


政党名 回 答 理 由
民主党 応能負担を
原則とすべき
障がいが重いほど負担が重くなる応益負担により、障がい者・障がい児が必要なサービスの利用の中止や制限に追い込まれることがないよう応能負担にすべき。
ただし、サービス利用量が少なく、定率1割負担の方が低い場合には例外として定率とすべき。
自由民主党 応能負担を
原則とすべき
障害者自立支援法の施行に当たり、障害者制度の安定的な運営のために皆で支え合う観点から、障害福祉サービスの利用者にも一定の負担をお願いしてきました。
しかし、障害者団体等からの負担軽減の多くのご意見を聞き、「特別対策」や「緊急措置」を講じ低所得者を中心に負担上限額の引き下げなど見直しを進め実質的に負担能力に応じた仕組みとなりました。
そこで、3年後の見直し規定に沿って昨年国会に改正案を提出し、利用者負担について能力に応じた負担(応能負担)が原則であることを法律上明確にしましたが、審議もされず廃案となりました。
再度、今国会に微修正を加え議員立法で提出したところです。
公明党 何ともいえない 1~3に該当する表記がないため、4としていますが、基本スタンスは1の「根本的には応益(定率)負担の原則」の文言を削除し、「障害福祉サービスや自立支援医療は特別対策の継続により実質応能負担とし、法令上もその表現を明示する」です。
「応能負担」では、一定の所得を超えた場合、利用者負担が限りなく増大してしまいます。したがって、現行の特別対策等の継続による利用者負担上限額を固定化することが必要です。
また、度重なる軽減措置により、負担は平均2%になりましたが、法改正されなければ、いつ1割負担にもどるかわからない不安が残ります。
日本共産党 無料を原則とすべき 障害者権利条約や憲法25条の生存権理念に照らせば、本来障害者の福祉や医療に負担を求めるべきではありません。
障害者福祉に「応益負担」制度を導入している国は日本だけです。障害が重いほど負担が重くなり、障害を自己責任にする「応益負担」制度はきっぱり廃止すべきです。
社民党 応能負担を
原則とすべき
障害が重い人ほど、サービス利用の自己負担が増す制度は間違っている。社会保障制度は所得再分配を備えている点に価値がある。所得に応じた負担とすべきである。
また、一定以下の所得層は無料にすべきである。
たちあがれ
日本
何ともいえない わが国古来の助け合いの心に基づいた皆で支えあう制度である改正障害者自立支援法を成立させるべきであると考える。国民の合意を得るためにも所得のある人は少しでも負担をする方が良いと思う。



Q4-2


 障害福祉サービスや自立支援医療に関する費用負担について、「応能負担を原則とすべき」と回答された場合、応能負担の基準についてお聞かせください。


民主党 応能負担の基準については、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会などでの議論を踏まえて設定すべき。
自由民主党 記入なし
公明党

必要な人に必要なサービス量を支給されることが大前提です。その上で、地域生活が可能となるよう、施設入所者とのバランスに配慮しつつ、負担と所得保障のあり方について、実態調査などに基づき、検討を加えてまいりたいと考えます。

日本共産党

無料を原則とすべき

社民党

まず、障害者の生活実態(年金額、就労状況、住居、生活費、医療費、支援の利用状況など)についてデータを集積すべきである。その上で、かつての支援費制度なども参考にして、基準を決める。一定以下の所得層は無料にする。

たちあがれ
日本
記入なし



Q4-3


 益負担を廃止するための一歩として、本年4月より予算措置による利用者負担のさらなる負担軽減策が実施され、障害福祉サービスの低所得者の無償化が実現しました。この措置によって、現時点の費用負担制度の位置づけをどのようにお考えですか。


  1. 応益負担は廃止されていないと考える
  2. 実質的には応能負担となったと考える
  3. 何ともいえない。

それぞれのご回答についての理由をお聞かせください。(200字以内)


政党名 回 答 理 由
民主党 その他 法律上も明記すべきだ。障がい者医療の応能負担化についても引き続き取り組むべき。
自由民主党 記入なし 記入なし
公明党 実質的には応能負担となったと考える 記入なし
日本共産党 応益負担は
廃止されていない
応益負担制度の部分改善であり、負担上限額の改定というべきものだからです。また課税世帯には何も手がつけられていません。
かつ、低所得者の無償化において自立支援医療も実施すると表明しておきながら結局は実施しなかった。中途半端な対応に終わっています。
社民党 何ともいえない 経過措置として改善策であると考えるが、障害者の生活実態を把握しなければ、何ともいえない。
たちあがれ
日本
記入なし 記入なし



Q4-4


違憲訴訟により、「応益負担の廃止」が約束されましたが、新法が施行されるまでの間、引き続いての負担軽減策等について、貴党のお考えをお聞かせください。


  1. 応益負担の廃止に向け、引き続き予算措置等の具体的な対応が必要である。
  2. 現在の負担軽減策を継続し、新法までこれ以上の対応は必要ない。
  3. 何ともいえない。

それぞれのご回答についての理由をお聞かせください。(200字以内)


政党名 回 答 理 由
民主党 応益負担の廃止に向け、引き続き予算措置等の具体的な対応が必要である 新たな法律が制定・実施するまでの間も、負担軽減に向け、できるだけ努力すべき。
自由民主党 記入なし 記入なし
公明党 応益負担の廃止に向け、引き続き予算措置等の具体的な対応が必要である

すでに「応益負担」でも「応能負担」でもない形になっていると認識していますが、利用者負担については、不断の見直しが必要です。例えば、障害児に関するサービス料負担の軽減は不十分であり、さらに軽減すべきと考えます。
特に、児童福祉施設において、地方自治体間で格差のある「措置」と「契約」の課題解決は急務です。

日本共産党 応益負担の廃止に向け、引き続き予算措置等の具体的な対応が必要である 低所得者の無償化は自立支援医療において同様の措置になっておらず、緊急に実施すべきです。
日本共産党は障害者の福祉や医療の無料化をめざす立場ですが、経過措置として課税世帯を今より負担を増やさず、いったん支援費制度のときの応能負担に戻すなどの措置が必要だと考えます。
社民党 応益負担の廃止に向け、引き続き予算措置等の具体的な対応が必要である 自立支援医療については応益負担のままである。また、収入額を世帯単位から個人単位にすべき。地域支援事業についても見直しが必要。
たちあがれ
日本
記入なし 記入なし

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