23年5月18日更新
○「新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律案」が再び審議入りしようとしています。新たな差別を生む可能性のある法案について、声明を発表しました。
2023年5月18日
声明
旅館業法に対する修正案について
認定NPO法人日本障害者協議会
代表 藤井 克徳
当協議会では、2022年10月18日に声明 「旅館業法改正法案に関して」を発表し、新たな差別を助長することへの懸念を示し、誤った法改正を行なわないことを要請した。
この度修正案が示され、審議入りの方向との情報を得たので、修正案に対する意見及び懸念を表明する。
1.必要な立法なのか
「新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律案」というタイトルが付されているが、新型コロナウイルスが2類から5類に変更になった時点で、本立法を進める意味は失われている。
2.客観的な事実とは何か
第5条の三 宿泊を拒む場合には客観的な事実を示すようにとあるが、客観的な事実とは何を意味するのか。大型の車椅子や盲導犬の宿泊拒否につながる危険性があることなどが懸念される。法案に差別の意図はなかったとしても、差別は助長されていくものであり、その可能性のある法は制定すべきではない。
3.宿泊拒否の理由に「過重な負担」があること
第5条四 実施に伴う負担が過重である場合とあるが、事業者の恣意的な判断の余地があり、安易な宿泊拒否につながる危険性があり、到底受け入れることはできない。
4.感染症対策は感染症予防法や新型インフルエンザ特措法で対処すべき
感染症に対する対策として本法が立法されようとしているが、旅館業を営む事業者は感染症に関しては専門職種ではなく、宿泊拒否の権限を付すことは不適当である。
以上4点をもって、「新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律案」の制定には反対するものである。
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