障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

22年6月15日更新

2021年秋の衆議院選挙政党公開質問状とその回答

 2021年秋の衆議院選挙に向けて、障害者政策に関する【政党公開質問状】を各政党に提出しました。 9月10日現在で回答いただいた内容を掲載いたします。 (当初Q7-2の回答選択肢の③が重複しておりました。これを修正し10月5日更新いたしましたので、ご確認ください。 大変申し訳ありませんでした。)

質問状の提出先と回答の状況
自由民主党/立憲民主党/公明党/日本共産党/日本維新の会/国民民主党/社会民主党/れいわ新選組
◇政党の並びは左から公示前の勢力順です。

migi各政党からの回答はこちらをご覧ください。

Q1-1 新型コロナウイルス感染症への対応について
 昨年来の新型コロナウイルスのパンデミックで、現在、新規感染者が急増しています。障害のある人には基礎疾患をもつ人も多く、不安な毎日を余儀なくされています。この状況について貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 政府の対策は十分である。
② 感染者が増え、政府の対策には多少問題がある。
③ 政策が後手後手で感染者が増大してしまい、政府の責任は大きい。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q1-2 新型コロナウイルス感染症後遺症への対応について
 新型コロナウイルスに感染した人で後遺症に苦しんでいる人が少なくありません。アメリカの国立研究所では、難病の筋痛性脳脊髄炎との関連について、昨年から研究が行われています。後遺症対策について貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 予算を大幅に増やし、国として積極的に後遺症対策について取り組む。
② 当面は感染対策に力を入れ、収束後に後遺症対策を検討する。
③ 後遺症は時間が経てば治るので、今のままでよい。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q2.防災ならびに災害対策について
 東日本大震災(2011年)の被害は甚大かつ深刻で、被災された方にとっての復興は未だの現状です。その後、各地で自然災害が頻発しており、障害のある人にとっての安心・安全のための施策は不十分です。生命に直結する防災ならびに災害対策について貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(いくつでも)
① 避難所の環境は障害のある人にとって利用しづらい現状であるが、災害時は仕方ないので我慢してもらいたい。
② 災害時、障害のある人は、多様な障害に配慮された福祉避難所に避難できるよう整備されるべきである。
③ 災害時に備えて、障害のある人と一緒の避難訓練を防災の専門家を交えて地域ごとに実施されるべきである。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q3-1 旧優生保護法被害者に対する補償について
 旧優生保護法下での強制不妊手術など障害のある人に対する重大な人権侵害が明らかになり、8地裁で提訴されています。一時金支給法が施行されましたが、被害者25,000人(厚労省発表)のうち、支給認定されたのは僅か931人(7月末)です。この問題について貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 当面は一時金支給法による支給を行なっていく。
② 国として被害者に謝罪をし、その上でその意を込める形で相応の補償額とすべきである。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q3-2「除斥期間」について
 これまで6地裁で判決が出されました(8月3日現在)。それらの共通点は、旧優生保護法は違憲としながら、不法な行為であってもその行為の日から20年を過ぎると訴訟の権利を失うという「除斥期間」の壁はどうにもならないことを理由に原告の請求を棄却しています。国家による大規模な犯罪的行為に対し、到底納得できません。この問題について貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
①「除斥期間」は法律で定められていることであり、仕方がない。
② 優生保護法被害者の実態から、「除斥期間」の起算点を考慮すべきである。
③ 判決を出すにあたって「除斥期間」を考慮すべきではない。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q4.障害者差別解消法の見直しについて
 障害を理由とする差別の解消を推進する法律(障害者差別解消法)が改正されました。差別の定義化など、積み残し課題については基本方針に委ねられ、障害者政策委員会の動向を注視してまいります。障害者差別解消法の今後の見直しについて貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 一定期間の後、早い段階で再度見直しを行う。その際、実効性を図るため、差別の定義を盛り込み、裁判外紛争解決の確固たる仕組みの構築など、残された課題を法改正の形で実現していく必要がある。
② 障害者差別解消法の問題点は十分認識しているので、再度の見直しについては可能な範囲で進めていく。
③ 障害者差別解消法の再度の見直しについては、時間をかけて慎重に議論していく。
④ 障害者差別解消法の再度の見直しは必要ない。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q5.障害者虐待防止法改正について
 障害者虐待防止法(2012年施行)では、虐待を発見した場合の自治体などへの通報義務の対象から病院、学校などが外されており、それらも対象に組み込んだ見直しが課題となっています。このことについて貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 法の附則第2条を鑑み、学校、保育所等、医療機関、官公署等も通報義務の対象に含めるべきである。
② 通報義務の対象に学校、保育所等、医療機関、官公署等を含めるのは時期尚早である。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q6-1 障害者の労働政策について(検討の方法、あり方について)
 厚労省の障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会が6月に報告書を取りまとめ、今後は、そこで整理された課題を福祉部局と労働部局がそれぞれ持ち帰り検討することになっています。両部局が同じテーブルで検討する枠組をせっかく作ったのに、具体的な検討はそれぞれ持ち帰るのでは、従来の枠を超えないことが危惧されます。この問題に対する貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 障害のある人の就労支援に関しては、現在の福祉部局と労働部局をあわせた新たな部局を設置し、切れ目のない総合的な施策を講じる体制を整備する必要がある。
② 今回の報告書については、法改正まで両部局合同で検討する必要がある。
③ 課題の整理は両部局合同で行い、それを踏まえた法改正についてはそれぞれの部局が持ち帰るのがよい。
④ 福祉部局と労働部局の分担は従来通りのままでよい。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q6-2 障害者の労働政策について(特別事業について)
 昨年10月からの重度障害者等就労支援特別事業により、福祉部局と労働部局が連携して重度障害のある人が働く際の通勤支援や職場での介助等が進められています。しかし、対象が最重度の人に限定されていることや、福祉施策は市町村の任意施策として実施することなどから、実施する市町村は増えていません。この事業について貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 上記特別事業を抜本的に拡充し、通勤支援及び就業中の生活支援を希望する障害のある人が、必要に応じて重度訪問介護、同行援護、行動援護、居宅介護等の障害福祉サービスを働く場面で利用できるようにする必要がある。
② 上記特別事業の実施を市町村に促すことで、障害のある人の働く機会を増やす必要がある。
③ 上記特別事業に取り組む市町村が増えないのなら、これを終了するのがよい。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q6-3 障害者の労働政策について(障害者雇用ビジネスについて)
 昨今、新たな障害者雇用ビジネスが拡大しています。こうした事業者が、働く場(農園等)と支援体制等を整備した上で大企業等に参加を呼びかけ、この農園等で働く障害のある人を大手企業等が雇用する形をとり、その企業の雇用率に算定するというものです。こうした新ビジネスについて、貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(2つまで)
① 障害のある人にとっては働いている場所と自分を雇用している会社が異なる等、通常ではありえない仕組みであり、道義上問題がある。 ② 参加する企業は自ら障害者雇用に直接取り組むことなく、雇用率だけを満たすという点で問題がある。 ③ 障害のある人が満足しているのであれば、良いと思う。 ④ 問題があるとは思わない。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q7-1 措置入院の退院後支援のあり方について
 精神科病院の措置入院者の退院後の支援体制について、実際には警察をその中に組み込んでいる所も少なくありません。このことについて貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 精神科病院の措置入院者の退院後支援について、警察を入れるべきではない。
② 精神科病院の措置入院者の退院後支援について、警察の協力は必要である。
③ 精神科病院で、身体拘束や職員による虐待が後を絶たない中、障害者権利条約の考え方に基づいて、障害のある人の自由と人権を基本とする、精神保健福祉法及び関係法令の抜本改正がまず先である。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q7-2 精神障害者の生活の場のあり方について
 日本は精神科病院の入院率が先進国の中で極めて高いことが特徴であり、医学モデルから社会モデルへの政策の転換が急務となっていますが、精神障害のある人が地域社会で暮らしていくにはどのような政策が必要でしょうか。貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(2つまで)
① 住宅政策
② ヘルパー(介助)制度の充実
③ グループホームの増設
④ピアサポート・ピアカウンセリング等の充実
⑤ 障害者総合支援法による計画相談体制の充実
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q8.所得保障のあり方について
 障害のある人の所得保障のあり方について貴党が重要と思われるものを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(2つまで)
① 無年金障害者の解消
② 障害基礎年金の増額
③ 目的別の手当の整備
④ 生活保護の拡充(①~③の課題が本筋であるが、当面の応急対応として)
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q9.基本合意と骨格提言について
 国(厚労省)は2010年、障害者自立支援法違憲訴訟団と基本合意を交わし、それに基づいて「障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」の骨格提言が出されました。このことについて貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 基本合意と骨格提言は完全に実現された。
② 基本合意と骨格提言はやや実現された。
③ 基本合意と骨格提言はほとんど実現されていない。
④ 基本合意と骨格提言は全く実現されていない。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q10.全世代型社会保障システムについて
 国(厚労省)は、全世代型社会保障システムの構築を現在の政策の柱としています。その背景には財源の効率化という問題も横たわっているように思います。このことについて貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(いくつでも)
①「全世代型社会保障システム」は世代間を超えた支え合いを目的とするもので、推進すべきである。
② 人材や予算をしっかり確保した上で、個々のニーズに対応できるよう、柔軟な仕組みとするべきである。
③ 病床削減なども含め医療と福祉が縮減されているのが実態である。さらに障害者政策と介護保険の統合の議論もくすぶり続けている中、財政効率化政策の転換を図るべく、利用者目線に立ってそれぞれの分野の特性を引き続き伸ばしていくべきである。
④ 現在のままでよい。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q11.障害者権利条約の実施について
 障害者権利条約は障害者差別解消法の制定などわが国に良い影響を生み出しましたが、この条約の要請と障害者の生活の現状とのギャップは依然大きく残されています。条約の完全な実施に向けて重要な取り組むべき以下の課題について、貴党のお考えを記述にてお教えください。
① 国会と裁判所での条約実施の取り組みを開始する。
② 各種基幹統計で、生活実態や権利について、障害者と非障害者の比較の可能なデータを収集する。
③ 国民一般及び障害者とかかわる職員に対して、条約とその理念に関する研修・意識向上活動を強化する。
④ 障害者政策委員会に、明確にこの条約の監視の機能を持たせる。
⑤ 条約の実施とその監視が、都道府県・市区町村の義務であることを明確にする。
⑥ 障害者に関わる政策・計画の策定・実施と監視への、障害者を代表する団体の参加を強める。
⑦ その他の課題がありましたら、具体的にお教えください。



Q12-1 障害者の政策立案決定段階の参加について(障害のある当事者)
 障害者政策委員会をはじめ障害に関わる国や自治体の各種審議会などに障害当事者やその家族の参加が重要な課題となっています。この事について貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 障害に関わる各種審議会に、障害当事者を全体の2分の1以上参加させるべきである。 ② 障害に関わる各種審議会に、障害当事者をおおよそ全体の3分の1以上参加させるべきである。 ③ 障害に関わる各種審議会で審議する際は、障害当事者から意見聴取を行うべきである。 ④ 障害に関わる国の審議会では、障害当事者を多く参加させるべきであるが、自治体レベルでは意見聴取を行えばよい。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q12-2 障害者の政策立案決定段階の参加について(障害のある当事者の家族)
 前項の12-1と同様に、1つ選択してください。
① 障害に関わる各種審議会に、障害者の家族を全体の2分の1以上参加させるべきである。
② 障害に関わる各種審議会に、障害者の家族をおおよそ全体の3分の1以上参加させるべきである。
③ 障害に関わる各種審議会で審議する際は、障害者の家族から意見聴取を行うべきである。
④ 障害に関わる国の審議会では、障害者の家族を多く参加させるべきであるが、自治体レベルでは意見聴取を行えばよい。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q13.全体予算に占める障害者予算の割合と財源について
 障害者に関する公的支出が国内総生産(GDP)に対する比率の国際比較で、OECD加盟国で日本は、現物給付(サービス)についてはほぼ平均であるものの、金銭給付を含む全体では依然として平均の約半分となっており、経済先進国にふさわしい障害者に関する予算を引き上げていくことが課題であると認識しています。一方、障害者予算を含めた社会保障費の増加は「財政の健全性にとって脅威」などの論調もあります。このことについて貴党のお考えを以下の選択肢に○をつけてお答えください。(1つ)
① 早急に上位10位以内になるよう予算を引き上げていくべきである。
② 時間をかけながら上位10位以内になるよう予算を引き上げていくべきである。
③ 上位10位以内にこだわらなくてよい。
④ 上位10位以内にこだわらず、さらに予算の重点化・効率化をめざす。
●その他、又は上記のお答えの理由について簡単にお教えください。


Q14.貴党の障害者政策の特徴について
 貴党の障害者政策で、衆議院議員選挙にあたり最も訴えたいことは何でしょうか。自由にお書きください。また、冊子やホームページなどで公表されている障害者政策をお知らせください。


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