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22年12月5日更新

障害関連法改正「束ね法案」参議院での審議に対する緊急声明

○障害関連法改正「束ね法案」が衆議院を通過し,参議院での審議が始まることに対して緊急声明を発表しました。


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2022年12月3日

障害関連法改正「束ね法案」に対する緊急声明

 

認定NPO法人日本障害者協議会
代表 藤井克徳

 

 

 私たち日本障害者協議会(JD)は衆議院を通過し、参議院での審議が始まるとされている、障害者総合支援法、精神保健福祉法、障害者雇用促進法、難病法、そして児童福祉法を改正する「束ね法案」に反対します。

 2022年8月には障害者権利条約の対日審査が行われ、9月には日本に対する総括所見(勧告)が出されました。勧告では日本の障害者施策の抜本的見直しが求められましたが、勧告には法的根拠がないとし、衆議院での審議は勧告を軽視したものでした。
 良識の府とされる参議院では、勧告を真摯に受け止め、この機会に障害者施策を抜本的に見直し、前進させる好機にすることが求められています。障害のある人や関係者の話を十分に聞き、慎重な審議をすべきです。「私たちのことを私たち抜きに決めるな」という当事者主体の基本姿勢こそが求められます。
 勧告では、障害関連の国内法や政策がパターナリズムアプローチであり、条約に含まれる障害の人権モデルと合致していないと厳しく指摘されました。参議院では、あらゆる人の尊厳を守る人権モデルへの転換について真摯に議論すべきと考えます。

 衆議院では30項目の付帯決議が示されました。30もの付帯決議が物語っているのは、法案に課題が山積していることの証左に他なりません。改正法案の1つ1つが障害のある人のいのちや暮らしに直結する重要な法案です。国会の会期末が近づく中で安易な採決はすべきではありません。人のいのちに関わる法律について、障害者権利条約の締約国として恥ずかしくない、人間の尊厳を守る法律策定を求めます。

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