障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

22年3月15日更新

3.11東日本大震災から11年の代表談話

○JDは、代表談話「3.11東日本大震災から11年 あらゆるいのちを尊重できる社会を」を公表しました。

 【PDF版はこちらから】

2022年3月11日

代表談話
3.11東日本大震災から11年 あらゆるいのちを尊重できる社会を



認定NPO法人日本障害者協議会(JD)
代 表  藤 井  克 徳



 2011年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9の巨大地震とこれに続く大津波、福島第一原発の重大事故を伴う東日本大震災が発生した。11年がたち、被災地で開催されてきた追悼式典も、10年を節目に中止や規模の縮小が相次ぐ。しかし、私たちはあの災害を決して忘れない! 風化させてはならない!

 死者1万5900人。行方不明者2523人。震災関連死3784人。避難生活を強いられている人は 3万8139人※。大切な家族や友人を亡くした人々の痛み、突然に日常生活を失った人びとの悲しみは、11年たっても決して癒えることはない。

 障害者の死亡率が全住民の2倍という事実があった。障害分野では、厳しい状況にあるいのちを、多くの人が協力して必死で守り続けてきた。一瞬にして、それらを奪い取る自然の力に茫然とさせられもしたが、あらゆる力を結束し、復興に努めてきた。自然災害の多い日本ではその歩みをさらに前へ進め、教訓として生かしていくことが、亡くなられた方たちに報いることになるのではないか。

 原発事故に関しては廃炉の展望は全くなく、使用済み核燃料は貯まる一方で、汚水処理も進んでいない。福島県からの県外避難者は、なお2万6692人にのぼる。原発問題は世界的規模で重大である。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻では、「禁じ手破り」と言われる大型原発への砲火攻撃が行われた。周知のとおり、ウクライナはソ連時代の1986年、チェルノブイリ原発事故を体験した国でもある。

 現在の不穏な国際情勢なども見据え、私たちが力を注ぐべきはやはり「いのちを守る」ことである。障害者権利条約第17条「心身がそのままの状態で尊重される権利」に立ち返りたい。災害からも、戦争からも、不当な差別からも、決して侵されてはならない。「不可侵性(integrity)」を再確認し、障害者権利条約の実現をめざす運動を続けていきたい。

※被害状況は警察庁、復興庁の発表による(出典:毎日新聞3/10)



         

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