障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

22年4月26日更新

緊急声明 ウクライナへの軍事侵攻は即時停止を、戦争反対です

○JDは2月28日、ロシア軍によるウクライナ侵略の即時停止、戦争反対の緊急声明を出しました。
2月22日は、ロシアが実質的に国際法を侵し、ロシア軍がウクライナ国境を越えた日です。

 【PDF版はこちらから】

注目4月22日追記

 インクルージョン・ヨーロッパが、ウクライナの知的障害者団体に状況を聞き取り、ウェブに公開しました(「私は夜、枕に顔を押し当て叫ぶ」)。ウクライナ各地から生々しい声が届いています。
 この情報と翻訳は上野博さん(元・きょうされん国際交流アドバイザー)から提供いただきました。

「私は夜、枕に顔を押し当て叫ぶ」
【日本語版PDFはこちら】
【日本語版テキストファイルはこちら】
【原文PDFはこちら】

「EASPD:ウクライナの障害者とその家族を支援するために今すぐ行動しよう」 【PDF版はこちらから】
「全ウクライナ知的障害者NGO連合:アピール」 【日本語版PDF・原文PDFはこちらから】
「国連委員会、270万人の障害者が危険にさらされていると警告」 【PDF版はこちらから】

2022年2月28日

緊急声明
ウクライナへの軍事侵攻は即時停止を、戦争反対です



認定NPO法人日本障害者協議会(JD)
代 表  藤 井  克 徳



 2月22日の進攻に始まったウクライナへのロシアによる侵略は、非人道的で理不尽であり、断じて許せません。それぞれの国の主権は武力で脅かされてはなりません。日本政府は、全世界の人びとが「平和のうちに生存する権利」を宣言した日本国憲法に基づき、ウクライナへの軍事侵攻を即時中止するよう、ロシアに強く求めることが必要です。

 戦争は、いのち、人権を奪い、多数の難民を生み出し、民主主義や経済を危うくします。この瞬間も、おびただしい数の障害者と家族が戦禍に巻き込まれています。障害のある人にとって、「障害発生の最大の原因は戦争による暴力です」「戦争と障害者のしあわせは絶対に両立しません」。これは人類の歴史の教訓です。

 欧州障害フォーラムは、2月24日、ウクライナの270万人の障害者の安全を危惧し、障害者権利条約第11条(危険な状況及び人道上の緊急事態)から「ウクライナにおける障害者の保護と安全」を訴えました。

 一方、ウクライナには重大な事故を起こしたチェルノブイリ原発があります。すでに軍事占拠されたと報じられていますが、この侵攻を原発や核兵器を巻き込んだ核戦争にさせてはなりません。

 地球はつながっています。私たちを含め、世界中への深刻な影響が懸念されます。

 人権と平和を守ることを宣言した国際障害者年(1981年)を機に私たちJDは結成されました。いまこそ平和と民主主義を求めるウクライナの人びと、世界の障害関係者と連帯して、こころから訴えます。

NO WAR! 戦争反対!

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ウクライナの障害者とその家族を支援するために今すぐ行動しよう
(EASPD*ニュースレター2022年3月11日号より)



 ウクライナに住む270万人の障害者の大多数は、最低限のシェルターさえも利用できないという、安全が著しく脅かされた状態にある。にもかかわらず、ウクライナにおける戦争に対する政治的・人道的対応において、障害者は優先されていない。EUやその他の機関は、この問題に取り組むための具体的な資金調達と行動を起こす必要がある。
 以下は、EASPDが本日、欧州障害フォーラム、インクルージョン・ヨーロッパと共催で行なった、ウクライナに関する記者会見から、EASPDが収集した主なメッセージである。
 欧州障害フォーラムによると、ウクライナには270万人の障害者がおり、また、インクルージョン・ヨーロッパによれば、知的障害者は約26万1,000人であると推定されている。
 ウクライナ障害者会議議長ヴァレリー・スシケーヴィチ(Valery Sushkevych)は、次のように述べた。「人道的危機の中に危機がある」。高層住宅の16階に住む障害のある女性から「ヴァレリー、私はたった一人だ、ここから連れ出してくれ、私の命を救ってくれ」と電話があったことを紹介し、多くの障害者が支援なしでは安全に移動できない危険な状況に置かれていることを示した。最後に「各国、EU、国際機関は、ウクライナの障害者のために特別な資金を拠出して欲しい」と呼びかけた。
 ウクライナ知的障害者NGO連合のユリア・クレペッツ(Yuliaa Klepets)は、「私は、自閉症で行動障害のある成人した娘と一緒に首都のキエフにいる」と述べた。「現在、私たちはキエフを離れることができない。82歳になる私の母も一緒にいる。彼女は動くことができない。私たちは地下の防空壕に行くことができない。どうか私を信じて欲しい。このような状況にあるのは私たちだけではないことを。キエフの街中に、ウクライナ全土に、私たちと同じ状況にある人がたくさんいる」。
 同じくウクライナ知的障害者NGO連合のライサ・クラフチェンコ(Raisa Kravchenko)は、「私たちのNGOリーダーの一人には自閉症の息子がいて、1時間以上彼をひとりにしてはおけない。つまり、彼女は、彼の薬を買うための列、スーパーマーケットの列、銀行のATMの列に並ぶことができないため、必要な薬、食べ物、お金を手に入れることができない。このような基本的な生活の営みにさえ、彼女は助けを必要としている。また、重度の障害のある人たち、親が高齢である人たちは、ウクライナから出られないことも明らかである。移動は極めて困難であり、かつ長距離である」と語った。
 国際障害同盟および欧州障害フォーラムの会長であるヤニス・ヴァルダカスタニス(Yannis Vardakastanis)は、「戦争が始まって以来、障害者は脅威の高まりに直面しており、見捨てられ、暴力、傷害、死のリスクが増大している。避難支援へのアクセス、情報へのアクセス、緊急避難所へのアクセスの欠如がある。同時に、自力で避難できた障害者が近隣諸国に到着した際、十分な支援が受けられないという問題もある。この人々への支援の多くは、各国政府や人道支援団体ではなく、障害関係団体から行われている。このようなことはあってはならない。私たちは、解決策の一部になりたいとは思うが、それが解決策のすべてとなってはならない。私たちはEUに対し、障害者とその家族に対する人道的支援のための具体的な資金拠出を指示するよう要請する」と述べた。
 ウクライナから避難しようとしている障害者の状況について、欧州障害フォーラムの事務局長であるグンタ・アンカ(Gunta Anca)は次のように述べた。「障害者が安全に避難するために、支援サービス団体は、例えば、リヴィウやポーランドとの国境から遠い国で提供されている安全な避難場所まで、障害者が移動できるよう支援するボランティアが緊急に必要である」。

 インクルージョン・ヨーロッパのディレクターであるミラン・シュヴェレパ(Milan Šveřepa)は、「食料、水、薬、その他必要なものを、入所施設で暮らす障害のある人や家族に届けることが急務だ。これらの施設には3万人の成人障害者がいる。戦争から逃れてきた人々の約1割は障害のある難民である。彼らは、リハビリテーション機器やその他多くの支援手段を必要としている。障害団体やその他のNGOは、ウクライナ国内や隣接諸国でとてつもなく素晴らしい活動を行なっている。彼らは、各国、EU機関、人道支援団体から、的確に調整された支援を必要としている。そして何よりもまず、ロシアは、ウクライナの一般市民に対する戦争を即刻停止しなければならない」と述べた。
 最後に、欧州障害者サービス事業者協会(EASPD)事務局長マヤ・ドネバ(Maya Doneva)は、「私たちが本日聞いた証言は、私たちが今何をすることが必要かを特定するための基礎となるものだ。私たちが何を必要としているかは極めて明確だ。私たちは、すべての人、市民、団体、とりわけ公的機関や人道支援団体に、ウクライナで今も活動している障害団体、および隣接国で活動しているNGOを支援するよう強く求める。欧州委員会の「欧州における難民のための団結した行動(CARE)」に基づく行動は基本だが、現場で活動するNGOに今日、明日、今すぐに資金を提供すること、行動を起こすことに集中しよう」と強調した。

*欧州障害者サービス事業者協会(European Association of Service providers for Persons with Disabilities,EASPD)は、1996年に設立された非営利の欧州ネットワーク組織で、現在2万人以上の障害者への社会・医療サービスを提供する団体が加盟している。EASPDは、教育、雇用、個別支援の分野において、国連障害者権利条約の原則に沿った効果的で質の高い障害者関連サービスを提唱しており、障害者だけでなく社会全体にも利益をもたらしている。

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全ウクライナ知的障害者NGO連合のアピール
(インクルージョン・ヨーロッパのウェブサイト3月15日掲載)



 私たちは、ウクライナ全土の約14,000家族を代表する、118団体で構成する知的障害者のためのNGOのネットワークです。私たちは、世界中の友人たちから、私たちの状況についてとても多くのご支援や、ご心配の手紙をいただき、大変感謝しています。 戦争はウクライナのすべての家庭に押し寄せてきました。知的障害や行動障害のある家族とともに生きることは、今、とても難しくなり、私たちの時間はすべて、周囲の混乱を理解することができないまま、困惑の嵐の中を生き延びている、最愛の人のために捧げられるようになりました。

 知的障害のある人がいるウクライナの家族は、非常に困難な日々を生き抜いています。 ウクライナでは約261,000人が、精神科医師の診断により、障害の状態にあると公式に認定されています。

 現在、すべてのデイセンターは閉鎖され、地域のサービスもすべて停止されています。このことで、攻撃的な行動をとるようになった人もいます。母親は疲れ切っていて、自らの持病も悪化させています。
 さらに、爆撃に加えて、ロシアの破壊工作グループ、食料品不足、現金自動預け払い機や薬局の行列、医療サービスを受けられないことなどが生じています。

私たちはあなたの助けを必要としています。
以下のものが必要です。ご支援をお願いします。

1. 処方箋により販売される、てんかんおよび一部の精神疾患のための薬剤
2. 生理用品、衛生用品(大人用も含む)
3. 長期保存可能な食品:缶詰、シリアル、オイル缶、ビスケット、紅茶、コーヒー、コンデンスミルク、チョコレート、その他
4. 地下室での避難用物資:寝袋、マットレス、救急箱、モバイルバッテリー等
5. 民間障害者団体がこれらの製品を購入したり、知的障害のある人がヘルパーを雇うための寄付金
6. より安全な場所へ避難するための支援:交通手段、国境検問所でのバリアフリー機器(車いす、携帯用いす)。

 この戦争はウクライナだけに対するものではなく、私たちの文明に対する戦争なのです! ロシアのミサイルや爆撃機を阻止するために、あなた方の政府に、ウクライナの空を飛行禁止区域にして欲しい、と呼びかけてくださるよう、お願いいたします。

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2022年4月14日

国連・障害者権利委員会のプレスリリース

ウクライナ:270万人の障害者が危険にさらされている、と国連委員会が警告


 ジュネーブ(2022年4月14日)-ウクライナに対する継続的な軍事攻撃は、推定270万人の障害者の命を危険にさらしています。障害者の権利委員会は本日、停戦と敵対行為の停止を繰り返し求めているにもかかわらず、ロシア連邦の侵略を遺憾とした。同委員会は以下の声明を発表した。
 「当委員会は、ウクライナの障害者の運命がほとんど不明であることを深く憂慮している。 子どもを含む多くの障害者が、生命を維持するための薬、酸素供給、食料、水、衛生設備、日常生活支援、その他の基本的設備を利用できず、自宅、入所ケア施設、孤児院に閉じ込められたり見捨てられたりしているとの報告が続いている。
 障害者は、緊急情報、避難所、安全な場所へのアクセスが限られているか、全くなく、多くは支援ネットワークから切り離されているため、状況に対応し、周囲の状況を把握することができない状態である。
 継続的な軍事攻撃により、障害者は極めて脆弱で、危害を受ける重大なリスクにさらされている。 障害のある女性は、広く報告されているレイプや性的暴力のリスクが高まっている。国内避難民やウクライナの国境にたどり着いたと報告されている障害者はほとんどおらず、彼らの多くが安全な場所に逃げることができていないことを示している。
 国連障害者権利条約は、国際人道法および人権法を含む国際法の下で義務を果たす際に、障害者を含めることを確保するよう各国に求めている。 ロシア連邦とウクライナの両国が批准したこの条約は、武力紛争や人道的緊急事態を含む危険な状況において、障害者の保護と安全を確保するために必要なあらゆる措置をとることを各国に求めている。
 また、この条約の締約国は、包括的(インクルーシブ)で利用しやすい(アクセシブルな)人道支援を提供するために、二国間および多国間の協力、障害者の代表組織やその他の市民社会組織との協力の義務も負っている。
 委員会は、人道支援活動に関わるすべての国、国連機関、市民社会、その他の関係者に対し、敵対行為に巻き込まれた障害者の訴えと要求を認識し、対応するよう求める。ジェンダーや年齢に応じたものも含め、彼らの具体的な要求が特定され、危機へのすべての対応に含まれる必要がある。人道的回廊へのアクセスの確保、避難・危機対応計画への組み込み、アクセス可能な緊急情報・通信手段の提供は、実施すべき措置である。
 すべての障害者が説明され、保護され、個々の支援の必要性を考慮した上で、人道支援への即時アクセスが提供されるようにするための措置をとる必要がある。難民や国内避難民の障害者、および難民のような状況にある障害者には、国境越え、受付、宿泊施設において、個々の要件に合わせた支援を提供し、移転支援を提供する必要がある。障害のある子どもは、家族から引き離されず、施設収容や人身売買などの有害な行為から保護されるよう、個別の支援を受ける必要がある。
 とりわけ、委員会はロシア連邦に対し、敵対行為を直ちに終了させ、国際人権法および人道法の原則を遵守し尊重するよう求める。
 当委員会は、障害者団体や人権団体と緊密に協力し、紛争における障害者の状況を引き続き監視していく。
以上
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