障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

21年5月16日更新

新型コロナウイルス(COVID-19)三度目の緊急事態宣言発出・延長にあたり必要な医療措置等を求める要望

○JDは2021年5月14日、3回目の緊急事態宣言発出や延長などに際し、「新型コロナウイルス(COVID-19)三度目の緊急事態宣言発出・延長にあたり必要な医療措置等を求める要望緊急要望:緊急事態宣言発出にあたって」を公表し、内閣総理大臣、厚生労働大臣宛に提出いたしました。  【PDF版はこちらから】

2021(令和3)年5月14日
内閣総理大臣 菅 義偉 様
厚生労働大臣 田村 憲久 様


新型コロナウイルス(COVID-19)三度目の緊急事態宣言発出・延長にあたり
必要な医療措置等を求める要望


認定NPO法人日本障害者協議会(JD)
代 表  藤 井  克 徳





 新型コロナウイルス感染者が急増し、4月 25 日に4都府県に緊急事態宣言が発出され、5 月 12 日からは6 都府県での緊急事態宣言となり、8 道県にまん延防止等重点措置がとられています。日に日に感染者が拡大していく中、脆弱な医療体制の現状が露わになってきています。

 自治体によっては、高齢者や障害のある人の入所施設で感染者が出た場合に、入院せずに施設で治療する旨の通知を出しています。また、精神科病院でのクラスター発生も広がっており、感染症専門医療機関に転院できずに死亡する人がいます。これらは障害を理由にした差別であり、いのちの選別につながることと憂慮しています。

 また、ワクチン接種については、供給や接種体制、接種申込みにさまざまな混乱が見られ、未だ医療関係者の接種が終了していない、副反応についての情報が不足している等、不安と不満が渦巻いています。

 こうした状況を憂慮し、以下の 5 点を要望します。


1.障害のある人のコロナ感染(あるいは感染疑い)の際に医療を確保すること
1)障害のある人がコロナ感染の疑いがあるとき、一般医療機関、感染症専門医療機関において、障害を理由にした受診拒否などがおきないように徹底してください。

2)生活施設や精神科病院において、コロナ感染者が出た場合は、ただちに一般医療機関、感染症専門医療機関に受診できるようにしてください。

3)障害のある人がコロナ感染によって入院した時、1人1人の障害にあった体制を整備してください。

2.医療・保健体制を拡充すること
 必要な医療をいつでも利用できるように医師や看護師などの医療従事者を確保し、保健所や市町村等に保健師などを日常的に確保してください。

3.必要に応じて定期的に PCR 検査を受けられること
 感染リスクの高い障害のある人やその家族や支援する人たちが、安心して暮らしていくために PCR 検査を定期的に受けられる体制を整えてください。

4.ワクチン接種について
1)障害のある人で基礎疾患があること、視覚障害のため手で触りながら移動することが多い、また、マスクの着用が難しいなど、感染リスクの高い人に対してはそれぞれのニーズに基づき優先接種を行なってください。

2)ワクチン接種の申込みが混乱しており、スマートフォンや電話での申込みでは困難な場合も多く、障害のある人を含め多様な人たちの接種申込みの際のアクセシビリティの問題を早急に解決してください。

5.感染後の追跡調査の実施について
 コロナ感染後に後遺症で苦しむ人が多く、その一部に筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を発症する場合があることが検査によって確認されています。日本においても、個人情報の保護に十分留意しながら早急に追跡調査を開始し、研究体制を整備してください。

                     

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