障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

09年7月18日更新

心身障害者用低料第三種郵便物に関する要望書

2009年7月23日


総務大臣 殿
厚生労働大臣 殿
郵便事業株式会社代表取締役会長 殿


全国障害者定期刊行物協会連合会
東京都世田谷区砧6-26-21
共同代表 春田文夫・楠敏雄

日本障害フォーラム(JDF)
東京都新宿区戸山1-22-1
代表 小川 榮一


心身障害者用低料第三種郵便物に関する要望書


 貴職におかれましては、日ごろより障害者の自立と社会参加のためにご尽力いただき、深く感謝しております。

 さて、この間マスコミでも報道されている「心身障害者用低料第三種郵便物」制度の不適正利用の問題に関して、私たちは深く憂慮しているところです。

 本制度につきましては、情報の伝達にさまざまな困難のある私たち障害者団体の活動を支えるものとして、平素より有効に活用させていただいております。とりわけ、1971年に当時の郵政省と「身体障害者団体定期刊行物協会」との間で交わされた確認書によって、障害当事者やその家族の団体がこの制度を円滑に活用し、障害者問題の啓発や、障害者の自立と社会参加の促進に大きな役割を果たしてきたことに、心より感謝しているところです。

 にもかかわらず、今般明らかになった一部の企業と活動実態の無い障害者関係団体を名乗る人々によって引き起こされた予想すらできなかった事態に、多くの障害者団体は戸惑いと不安、そして被害をこうむることとなりました。私たちの発行する刊行物は、営利を目的としたものではなく、あくまでも障害者問題の啓発・普及およびさまざまな支援に対する報告とお礼を目的としたものです。

 私たちにとって、啓発や情報伝達の活動は命綱とも言えるものです。私たちとしては、今般の事態によって本制度がいささかも後退することのないよう、抜本的な見直しを行い、心無い不正や悪用が2度と起こらないシステムにするとともに、障害者団体の今日的な実態に合った制度に改めるべきであると考えております。

つきましては、貴職をはじめ、関係各省や私たち障害者団体を含めた検討の場を設け、本制度のあり方について継続的に検討することを切望する次第です。大変お忙しい折とは存じますが、下記についてご検討のほどよろしくお願い申し上げます。



  1. 心身障害者用低料第三種郵便物制度のあり方について、総務省、厚生労働省、郵便事業株式会社、障害者関係団体との検討の場を設けてください。 また、検討会の設置に向けて、私たち全国障害者団体定期刊行物協会連合会ならびに日本障害フォーラムと話し合う場を早急に設けてください。
  2. 検討会を継続する間、現行の制度を弾力的に運用し、障害者団体の命綱といえる啓発活動に不利益を生じないよう各地の郵便事業会社に指導を徹底してください。

以上

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