09年6月21日更新
2009年6月9日
総務大臣
鳩山 邦夫 殿
日本障害者協議会
代表 勝又 和夫
今の社会において、情報にアクセスできるかどうかは、その人の生活や人生を大きく左右するものとなってしまいます。
昨年、発覚した心身障害者用低料第三種郵便物の不正使用事件は、その後、郵便事業会社や、こともあろうに、厚生労働省の担当者が不正に関与していたという、前代未聞の展開となっています。
この制度は1960年代、障害の重い人たちへの所得保障が全くなされていない状況の中でも、障害のある仲間がどういう生活をしているのか、国や自治体の制度はどう動いているのか等を知るツールとして、障害者団体の発行するニュースは、数少ない情報源として重要な働きをしていました。このような中で、当時の障害者や関係団体の運動が郵政省に強く働きかけ、現在の制度として認められたものでした。
心身障害者用低料第三種郵便によって、全国的な団体、地域的な団体を問わず、機関紙活動は急展開し、障害者相互の親睦を深めていき、権利擁護活動をも発展させていきました。
IT時代の到来と言われますが、障害種別を問わず、障害の重い人にとってインターネットにアクセスできる人はまだまだ少なく、多くの人にとっての情報源は紙のニュースとなっている状態です。言い換えれば、紙のニュースを発行できるかどうかは、障害者団体としての生命線に関わる問題といっても過言ではありません。これは障害者権利条約にいう「合理的配慮」なのです。
圧倒的多数の障害者団体が規則に従い、身障低料第三種郵便として大切な情報を仲間に発信しているにも関わらず、ほんの一部の不正によって、その制度の先行きに大きな不安を感じさせられる状態がもたらされてしまいました。マスコミ等でも偏った見方による報道がなされていることは大いに気にかかるところです。
この問題の発端となった事件で、厚生労働省の障害保健福祉部の担当者が障害者団体の証明書を偽造したとして逮捕されましたが、障害保健福祉部全体がこれに関与していたのではないかという疑いも出てきています。当時の障害保健福祉部は、障害者自立支援法の基礎をつくり上げ、私たちに対しては「制度の公平性・公正性こそが求められ、新しい法律をつくる必要がある」ことを力説していました。その人たちが、私たちの大切な身障低料第三種郵便物を違法行為によってつぶそうとしていることに対して、憤懣やるかたない思いです。
海外には、障害者団体に対し、行政が助成している国もあります。日本ではそのような制度はまだありません。以上の認識に立ち、私たちは下記のことを強く求めます。
記
以上
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