障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

15年12月28日更新

2015年「すべての人の社会」12月号


2015年「すべての人の社会」12月号

VOL.35-9  通巻NO.426

巻頭言 聞こえないということ

NPO法人日本障害者協議会 理事 佐々木 良子 



 先日、友人でもある聞こえない人が、ほっぺたを膨らませて怒っていました。「電話で問い合わせなきゃいけないって言うから手話通訳を頼んで電話をしたのに、本人でなければ応えませんって言われた。」

手話通訳をしていて
 手話通訳を生業としている私も???と思うことがあります。インターネットでホテルを予約するとき、電話番号の記入が必須だったり、会社の会議に手話通訳をつけて欲しいと言ったら断られたなどです。自分自身のこともわからないことは多々ありますが、自分以外の人のことは、なお、わからない。気づかない…ということも大きいのではないかと思います。

その1 聞こえないなら、大きな声を出せばいい?!
 これは、半分正解で、半分不正解??? 耳が遠い人であれば、大きな声にすれば聞こえる場合もあります。でも、音を判別できない人や音が全く聞こえない人は、どんなに音を大きくしてもノイズだったり、無音である場合もあります。

聞こえ方の図
その2 聞こえない人は口を読む?!
 日本語を話している私たちの口の形、いくつあると思いますか?基本的には、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の5つです。「卵」と「煙草」、「愛」と「柿」も口の形は同じです。口を形だけで内容を正確につかむのは、本当に難しいのです。

その3 聞こえないなら書けばいい?
 聞こえない人の中には、書けばわかる人もいますが、わからない人もいます。自然に耳から音が入り、言葉を覚えた私たちと異なり、聞こえない人は、言葉を覚えるのが、難しいのです。私の職場には、「意味がわからないから読んで(手話で内容を教えて)」と手紙を持った聞こえない人がやってきます。ちなみに、手話では、聞こえない人が私の先生。今も、手話を教えてもらっています。

これから
 障害者権利条約で手話が言語として認められ、手話言語法(仮称)の制定を求める動きが全国に広がっています。人が人を思いやり、その人がその人らしくいることが認められる社会の実現をめざして、その人その人の生きづらさや悩み、声を聞き、どうしたら良いのかを一緒に考え、行動することができれば…と思っています。


2015年11月の活動記録


視点 基本合意の記憶

                          薗部 英夫       



障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会ニュース50
☆ 基本合意と骨格提言の実現をめざす全国集会に300名!
基本合意・骨格提言の実現をめざす全国集会アピール

連載「福祉のまちづくりの現在とこれから」

第10回 福祉まちづくりにおける住民参画の目指すもの
~まちづくりにおける自助・共助・公助~                       長野 博一        


障害者支援の現場から… 第20回
手話通訳者の現状と課題                       加藤 貴雄        



フォーカス戦争と障害者ドイツ編
第3回 ナチスに抵抗した視覚障害者者                         坂下 共        



新連載 差別と抑圧の歴史・・戦時下の障害者
第1回 戦時下の視覚障害者‐戦争をどう生きるか?                         岸 博実        



トピックス・インフォメーション

What's New!JDの動き
障害者就労支援について考えるフォーラムⅤ11月19日
政府報告に関する学習会11月26日


私の生き方 第32回 早坂 洋子さん

                     早坂 洋子        



エッセイ パラボラアンテナ〔153〕 

まほろば

                        花田 春兆       


≪ JD連続講座2015 ≫
社会保障・障害者施策の転換期!その政策動向と影響を学ぶ!

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