障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

12年12月17日更新

2012年「すべての人の社会」12月号


2012年「すべての人の社会」12月号

VOL.32-9 通巻NO.390

■社会的入院解消は地域の本気の覚悟をもって

 NPO法人日本障害者協議会理事 
 NPO法人全国精神障害者地域生活支援協議会 副代表 戸髙 洋充 



 精神障害者の地域作業所に入職した当初、精神科病院が一般の病院と何かが違うと思い、
日本の精神保健(当時は精神衛生)の歴史を学びました。

 「精神病者取扱心得」が1894年に警視庁から出され、1900年に「精神病者監護法」(私宅監
禁、監護義務者等)、今では、その法律自体が人権侵害と言われるような制度が日本に存在
していたことに驚きました。呉秀三が1918年に私宅監禁を調査し「この病を受けたる不幸のほ
かに、この国で生まれた不幸を重ねる」と言ったのは有名ですが、今もこの言葉が新鮮に聞こ
えるのはなぜでしょうか。

1950年に「精神衛生法」が施行され、監護法は廃止、私宅監禁も禁止されましたが、その受け
皿を作るために、1958年に厚生事務次官通達で「精神科特例」精神病院を特殊病院と規定し、
医師の数は一般病院の3分の1、看護師数は3分の2を可としました。これにより精神科病院
は作り易くなり、現在35万床弱(9割が民間病院、入院患者32万人)、世界の人口1万人当たり
ベッド数は、伊1床、米国3床、英国7床、韓国8床、仏10床に対して、日本は28床に上ります。
先進国は入院医療から地域生活の支援へと政策の重点を変えています。日本は、医療法が
改正されても精神科特例の表記は無くなっても基準はまだ残っています。

 2002年に「精神科
病院に長期間入院している条件が整えば退院可能な者(いわゆる社会的入院)」7万2千人を
10年以内に退院させるとし、退院促進事業が打ち出されましたが、10年が経ち、地域移行支
援事業、地域定着支援事業と条件作りはされていますが、入院者数とベッド数は横ばい状態
です。社会的入院患者は6割と言われていますが、2008年、私の住む藤沢市の精神障がい者
地域生活支援連絡会で行なった精神科病院の実態調査では、主治医が、条件が整えば退院
可能とする方55.8%、65歳以上の方34.9%でした。私の所属するホーム利用者22人中11人は
精神科病院からの退院者で普通に地域生活をしています。

 精神科病院は治療機関であり生活の場ではありません。地域が本気で受け入れる覚悟をも
って、まちづくりを考えていかなければなりません。

 今、課題となっている、精神障害者の長期入院高齢化対策として検討中の「介護精神型老人
保健施設」では、既存の精神科病院を認知症病棟転換に図ろうとしています。「精神科医療の
機能分化と質の向上等に関する検討会」においては、地域の高齢者施設を活用する施策が方針
として出されており、これを支持し実現を求める運動が展開されています。

■11月の活動記録

■視点 すべての審議会に障害当事者の参画を公開中

         藤井 克徳           


■障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会ニュース(30)


■障害者制度改革 各団体の今後の取り組み

全国失語症患者家族会
「失語症の正しい理解の元に立つ福祉サービスをひたすら望む」
         園田 尚美           


日本障害者リハビリテーション協会
「障害者制度改革とJDF」
                      湯澤 茂男           


日本てんかん協会
「てんかんの正しい理解のため、あらゆる領域で運動を進めます。」
               田所 裕二           


全国「精神病」者集団
「現状分析と今後の取り組み」
          関口 明彦           




■ 新連載 障害のある人のディーセントワークを実現する 第3回

世界中で必要とされる企業になりたい
          井上 幸司           



障害のある人の「はたらくよろこび」をつくる
           天野 貴彦           



■ 新連載 ノーマライゼーションの実現に、
 土木・建築分野ではなにを考え、なにをしてきたか その4

ユニバーサル・デザインがやってきた

            八藤後 猛           



■連載

難病をもつ人々と障害者制度改革 PartⅡ 第6回
患者力を発揮しよう ─難病の正しい理解と認識を広げるために             串原 典           


■国際交流

多様なニーズを求めたWBU総会            髙橋 秀治           


■連 載

JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 45
NPO法人全国精神障害者団体連合会


■トピックス

JD、政策アンケートを実施
今年のテーマはイエロー
光明創立80周年記念の講演会
「すべての人の社会」2004~2011年合本完成
読書案内他



■エッセイ パラボラアンテナ〔120〕 

支援 自立 今は昔

 花田 春兆         




■第14回全国障害者生活支援研究セミナー
意思決定と支援Ⅲ~実践からみた「意思決定支援」~



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毎月「すべての人の社会」をお送りいたします。

■個人賛助会員・・・・・・・1口4,000円(年間)
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〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 日本障害者協議会
TEL:03-5287-2346 FAX:03-5287-2347

○メールでのお問合わせはこちらから office@jdnet.gr.jp
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※視覚障害のある方向けのテキストデータ版もございます。
※ご不明な点はJD事務局までお問い合わせください。



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