障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

11年5月20日更新

2011年「すべての人の社会」5月号


2011年「すべての人の社会」5月号

VOL.31-2 通巻NO.371

被災地に立って思うこと

日本障害者協議会理事 増田 一世


 2011年3月11日、東日本大震災で失われた尊いいのちに哀悼の意を捧げます。そして、被災された多くの人たちにこころからのお見舞いを申し上げます。
・・・・・・
 わが日本障害者協議会も構成メンバーの一員である日本障害フォーラム(JDF)は、3月18日JDF東日本大震災被災障害者総合支援本部を設け、宮城県、福島県、岩手県に現地支援センターを立ち上げる準備を始めました。3月30日にみやぎセンターが、4月6日にふくしまセンターが開設されました。私は、みやぎセンターの立ち上げ準備のために3月29日~4月3日まで仙台市太白区にあるみやぎセンターが間借りする仙台ワークキャンパスに滞在しました。みやぎ支援センターから車で5分ほど走ると名取インターチェンジがあり、その周辺は津波の被害が甚大でした。津波ですべてが流されてしまったコンビニエンスストア、あちこちに数えきれないくらい大きく傷つき横転している車両、3月11日までは生活を支えていたであろうさまざまな生活用具が泥の中に顔を出している様子に言葉を失いました。多くの人たちのいのちとくらしが一瞬にして奪われてしまったことを実感しました。

 現地調査で役所の人からは、訴えのある障害のある人には何とか対応しているが、在宅の障害のある人への訪問に出向くことができず、気になっているという話や、身近な支え手である民生委員さんたちの多くが被災している状況であることなどを伺いました。地元に暮らしや仕事の場を持たない私たちのできることは一体何なのか、模索しながらの活動が始まったのです。先行きの見えない長期化した避難所生活で疲弊した人たち、障害があるために避難所で過ごせず在宅で支援も届かない中でギリギリの生活を送っている障害のある人や家族、そうした人たちの実態が見えづらく、歯がゆさと焦りを感じます。

 一方、未曽有の被害の中で、人々の暮らしや地域の再生に向けた動きは始まっています。被災した人たちの切実なニーズを中心にさまざまな団体がつながりあって、現地の人たちがそれぞれの生活を取り戻すことができることを息長く応援すること、そんな取り組みの最初の一歩が始まっています。被災地の障害のある人の支援をJDFが一丸となって進めていくことは、わが国の障害者施策の前進に寄与することでもあります。わがJDはその一翼を担い、被災地の復興、再生とすべての人の社会の実現に向けて大切な役割を果たしていきたいと思います。

4月の活動記録

視点  個人情報保護と支援活動

田中 徹二


障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会ニュース(12)

東北関東大地震・原発事故災害に遭遇した被災者のみなさまへ

すべての声にこたえたい


JD30周年 (14)最終回

大フォーラムの意義
久松 三二


震災関連ニュース

新連載

ポスト障害程度区分 第2回
新法に向けての支給決定の検討内容と課題
─総合福祉部会作業チーム報告をもとに 茨木 尚子



障害のある子どもたちのいま 第2回
乳幼児期を大切に 中村 尚子



プラビダーコスタリカでの活動から その2 坂下 共



連 載

JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 26
日本作業療法士協会



エッセイ パラボラアンテナ〔102〕 パソコン中毒 花田 春兆


トピックス

災害・防災に関するマニュアル・ハンドブック

記念講演とシンポジウム、支援活動募金

賛助会員大募集中!
毎月「すべての人の社会」をお送りいたします。

■個人賛助会員・・・・・・・1口4,000円(年間)
■団体賛助会員・・・・・・1口10,000円(年間)

▼お申し込みは下記JD事務局へメール、電話、FAXなどでご連絡ください。
〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 日本障害者協議会
TEL:03-5287-2346 FAX:03-5287-2347

○メールでのお問合わせはこちらから office@jdnet.gr.jp
○FAXでのお申込み用紙はこちらから 【賛助会員申し込みFAX用紙】

※視覚障害のある方向けのテキストデータ版もございます。
※ご不明な点はJD事務局までお問い合わせください。



フッターメニュー