障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

10年12月23日更新

2010年「すべての人の社会」12月号


2010年「すべての人の社会」12月号

VOL.30-9 通巻NO.366

巻頭言  てんかん当事者の訴えが響いた!
日本てんかん協会常任理事
日本障害者協議会理事 福井 典子

 秋晴れの11月7日(日曜)、東京の新宿駅西口には、日本てんかん協会の中央イベントのスピーカーの音が終日響きわたりました。

 この11月を「てんかんを正しく理解する月間」と位置づけ、これまでも全国的な取り組みを展開してきましたが、東京では久々の行動とあって力を入れて準備してきたのでした。国会請願署名・カンパなどの街頭アピールとともに、駅広場のイベントコーナーでは、てんかんを知るパネルや機器・資料の展示、専門医、専門職による相談会など多彩な企画も。会員とともに各方面からもボランティアさんが多数駆けつけてくれ、100人を超えました。
 結果、署名は388筆、カンパは54,312円、相談16人、コーナー参加者400人以上と大盛況でした。「100万人もいるとは驚いた!」「てんかんのことを初めて知った!」「治る病気とは思わなかった」「友人に患者がいるので何かできることはないか…」など感想や相談もたくさん寄せられました。

 そして何よりもこの日の最大の成果は、宣伝カーからのスピーカー39人のうち、半数以上がてんかん患者当事者だったということでしょうか。全国一、通行人が大勢行き交う駅、しかもかなり高い車の上からマイクを持って話すことは、かなり勇気のいることなのに、次々としっかりした訴えが続いたのです。

 啓発、医療、教育、就労、福祉、交通など、自身の体験も含めて実に多岐にわたるリレートークが展開され、立ち止まって耳を傾ける人の姿も見えるようになってきました。初めは「紹介だけにしてほしい」と言っていた当事者もその場の雰囲気に圧されて、遂に話し出すという場面もありました。

 まだまだ「てんかん」という病名を明らかにすることさえためらわれるという風潮もある中で、てんかん患者が何人も自らの体験を語って「社会的理解を!」と駅頭で訴えているのですから、かつてないセンセーショナルな光景となりました。「不安や悩みは尽きませんが、てんかんであることを今では感謝しています。大勢の仲間を知り、人のやさしさが身にしみてわかるようになったからです」。まさに人の心を打つ訴えです。

 協会では、この生きた経験を全国的に広げながら、当事者主体の活動をいっそう定着させていきたいと考えているところです。

11月の活動記録
 視点   ディーセントワークの視点で労働政策の転換を
藤井 克徳
What's New !
 私たち抜きで、自立支援法「改正」法、強行成立!

JD30周年 (9)
 障害者の日推進運動─休日をめざした意義

荒木 薫
 年表 2001年~2003年

障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会ニュース(7)


地域のうごき
 中野区への業務提案と区の障害者雇用促進に向けた施策について
武者 明彦



オピニオン
 これでいいの? これまでの特別支援教育路線を踏襲
品川 文雄



書 評
 未来を切り拓く道筋が観える本 見えないけれど観えるもの
久松 三二



連 載
 JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 21  日本点字図書館

 精神障害者も当たり前に暮らしたい 生活論・生活療法論の見直し 16
 生活療法批判について その7
 作業についての二つの流れ─作業療法点数化と小規模作業所づくり
中澤 正夫

 エッセイ パラボラアンテナ〔97〕 創る


トピックス

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