障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

10年7月17日更新

2011年「すべての人の社会」7月号


2010年「すべての人の社会」8月号

VOL.30-4 通巻NO.361

巻頭言  わがギョーカイの「快挙!」

日本障害者協議会理事 石渡 和実


 6月30日未明、ワールドカップのパラグアイ戦が決した。PK戦にまでもつれ込んだが、ベスト8進出はならなかった。しかし、この間、日本中が興奮の嵐で、「岡田ジャパンの快挙!」との文字があちこちに躍った。

 今年、わが「障害」ギョーカイには、それ以上の「快挙!」があった。1つは、1月7日の障害者自立支援法訴訟の基本合意、もう1つは、障がい者制度改革推進会議と総合福祉部会での精力的な論議である。

 自立支援法訴訟は、当初、「実際のところ、勝つことは考えていない。市民が訴訟に注目することで、この法律がいかに理不尽なものかをわかってもらうことだ」といった声も聞かれた。その後の、法廷での原告の訴えは、法律への怒りとともに、「当たり前に生きたい」と主張する真摯な姿が、まさに感動の連続となった。この姿勢が基本合意文書を取り交わす扉を開き、「平成25年8月までには新法施行」という大きな成果を生んだ。全国で闘いを続けた原告と家族、弁護団に、心から敬意を表したい。

 そして、当事者主体での論議が続く、推進会議と総合福祉部会である。この検討をずっと追い続け、発信している薗部情報通信委員長が、「黄河と揚子江が一緒になったような凄まじい流れ」と称したことがあった。「同感!」である。

 4時間以上も続く熱心な討議、事前のおびただしいほどの提出資料、一人ひとりへの情報保障、殺到する傍聴者…。これまでの審議会で、委員が、関係者が、これほどまでに真剣に準備を重ね、責任を全うし、異なる立場が主張し合った場があったであろうか。まさに、「多様性の尊重」が実現された場でもある。

 わがギョーカイの2つの「快挙!」は、市民参加での政策決定、社会変革のモデルそのものである。これらが、危惧される「ガス抜き」に終わることなく、現実の変革へと到達するために、これからにこそ、障害者運動の真価が問われる。

6月の活動記録

視点  点字教科書の支援体制の整備を望む

田中 徹二


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JD30周年 (4)

 初心も未来も、ずっと運動体 藤井 克徳

 年表 1986年~1988年


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 精神障害者も当たり前に暮らしたい 生活論・生活療法論の見直し 12
  生活療法批判について その2  生活療法の沿革と解説
中澤 正夫
 エッセイ パラボラアンテナ〔92〕 二極化
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