2010年「すべての人の社会」5月号
VOL.30-2 通巻NO.359
法政大学教授
日本障害者協議会理事 岩崎 晋也
JDでは、衆参議員選挙のたびに、「障害者政策に関する質問書」を各政党に送り、その結果をホームページおよび本誌の別冊として発表している(前回は昨年の8月の衆議院選挙時に実施)。今年の7月に予定されている参議院選挙においても、この政党アンケートを実施する予定である。
この政党アンケートは、障害者政策に強い関心をもつ人々に、投票時の判断材料を提供することを第一の目的としている。また選挙毎にJDが各党の動向に着目していることをアピールし、各政党の政策の全体の中で、障害者政策の優先順位を上げること、そしてJDの政策を理解してもらうことも重要な目的と言えよう。
これまでの政党アンケートを見てみると、当然のことであるが、与党の方が漸進的、あるいは消極的な回答をし、野党の方が積極的な改革を支持する回答をする傾向にあった。しかし、今回は、政権交代後初の政党アンケートであり、与党と野党の立場が入れ替わった政党において、回答の変化が見られるのか着目したい。
また、各政党の長期的な障害者政策の方向性を確認することも重要であるが、ともすると財政的な裏付けなどの実現へのビジョンを欠いたリップサービスに終わることが懸念される。そこで今回より、前回の回答に対する自己評価をお願いしたいと考えている。各設問の前回アンケートにおいて、なんらかの改善をすべきと答えた政党には、その項目に関して政党として行った具体的な活動(法案提出、国会質問、調査、意見交換会の開催など)を書いてもらい、また合わせて、次回の3年後の参議院選挙までに実現すべき具体的な政策の提示も要望する予定である。
初めての試みのため、どのような回答をいただけるかわからないが、アンケートの結果にご着目いただきたい。結果は集まり次第、公表する予定である。
三澤 了
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