10年4月21日更新
VOL.30-1 通巻NO.358
日本障害者協議会理事 薗部 英夫
「制度改革推進会議」は、自立支援法訴訟の「基本合意」と障害者権利条約をベースに、猛ピッチで、ポスト自立支援法(総合福祉法)、差別禁止法、障害範囲と表記、アクセシビリティ、就労等々の重要テーマを検討している。より多くの人たちにこの会議の様子を知ってもらおうと、インターネット上に「ウオッチング推進会議」を開設した。私は任務で毎回傍聴し情報発信している。3月19日は「教育」をめぐって激しい議論があった。
JDは、佐藤久夫理事の献身的な活動により、加盟団体だけでなく、より多くの人たちの意見を集め、建設的な意見を述べた。権利条約の核心である「インクルージョン(排除しない)」を積極的にとらえ、
が重要と主張された。議論は団体ヒヤリングを経て、「部会」へと引き継がれる。
論議を聞きながら、私は三人の校長の言葉を思い出していた。今現実にあるさまざまな矛盾をかかえる子どもと保護者を真ん中にした議論を推進会議には希望したい。
「大事なのは教員の確保だ。教育条件が悪いと、健常児にとっても障害児にとってもいい効果はでない」(インクルーシブ教育にとりくむフィンランドの小学校・バルト校長)。「子どもたちにとって孤立・孤独感はデメリット。同じような環境、ペースのなかで自己肯定感も増す」(デンマークの障害児学校・ハル校長)。
そして、与謝の海養護学校の青木嗣夫校長の言葉だ。「学校に子どもを合わせるのではなく、子どもに合った学校をつくろう。学校づくりは箱づくりではない、民主的な地域づくりである」。
勝又 和夫
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