11年1月19日更新
VOL.30-10 通巻NO.367
■ 巻頭言 年頭にあたって
日本障害者協議会代表 勝又 和夫
日本障害者協議会(JD)は、1980年に結成された国際障害者年日本推進協議会を出発点に「アジア太平洋障害者の10年」への取り組みを機会に現在のように名称変更をしました。昨年4月19日で30周年を迎え、本年は国際障害者年から30周年という、障害者および関係者にとっては大きな節目の年を迎えることになります。
本年はこれまでを改めて総括する企画も考えており、併せて昨年発足した「障がい者制度改革推進本部」の下の『障がい者制度改革推進会議』や『総合福祉部会』等での議論がどのように法制化されていくか、極めて重要な年になります。
障害種別や各団体、思想信条の枠を越え、互いの違いを真に理解し合う中から国連の「障害者権利条約」批准が先進諸国に匹敵する水準でなされるよう、すべての関係者が連携しなければならないと考えています。
一昨年の政権交代によっても、わが国の経済や財政状況の厳しさは一朝一夕には変えられない中で行われた事業仕分けでは、埋蔵(隠れ)借金が35兆円にも上ることが明らかになるなど、私たちを取り巻く環境はより厳しさを増す予兆さえ感じる事態となっています。
対GDP比の障害者予算の低さは北欧諸国の6分の1、イギリスの3分の1、アメリカの2分の1(OECD調査)など、予算配分においても国内の議論だけでなく、国際的に見て「人に優しい国」なのかということを障害者分野だけでなく、わが国の市民の問題としてともに考え、ともに手を携える必要があるのではないでしょうか。
先進諸国に比べて消費税は5%と極めて低いという声が高まりつつありますが、国民負担率は、年金・医療・介護・福祉等にかかる負担や税を足すと、現在でも福祉先進国に匹敵する水準に近いものになっているとの統計もあります。
たくさんの金を集めるには「広く、薄く、より多くの人たちから」との実態がこの数字に現れているような中で、さらにそれを子どもや高齢者分野などにも拡げようとの動きがあります。
私たち多くの市民は、誰もが「この国に生まれてよかった」と真に思える社会を願っているはずです。こうした社会の実現に向けて、日本障害者協議会の原点に立ち返って努力することをお誓いし、本年も多くの会員や市民のみなさまのご理解とさらなるご支援をお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。
■ 12月の活動記録
新春対談 歴史の扉を開く年に
東 俊裕氏 と 藤井 克徳氏
■JD30周年 (10)
JD(日本障害者協議会)のスタート
田中 徹二
年表 2004年~2006年
■What's New !
JD政策委員会が緊急開催 推進会議「第二次意見」を学ぶフォーラム
■連 載
JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 22 全国精神障害者地域生活支援協議会
精神障害者も当たり前に暮らしたい 生活論・生活療法論の見直し 17
「精神障害論」・蜂矢の投じた一石
中澤 正夫
エッセイ パラボラアンテナ〔98〕 二者択一
花田 春兆
■トピックス 読書案内…読んでおきたい本
■講演会 高次脳機能障害の人を支援する ~私たちにできること~
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