09年9月16日更新
VOL.29-8 通巻NO.353
日本障害者協議会理事
全国腎臓病協議会副会長 金子 智
8月15日沖縄県、8月18日兵庫県、8月19日愛知県と相次いで新型インフルエンザ患者の死亡が県担当者および厚生労働省から公表された。亡くなられた患者さんの御冥福を心よりお祈り申し上げる。
亡くなられた患者さんのうち二人は、慢性腎不全のため人工透析治療を受けていた。死亡の主な原因は、慢性腎不全や心疾患が合併した上に、インフルエンザに罹患したためと考えられている。
今春、新型インフルエンザの国内感染者の発生から,健康な人にとっては一過性の病気であっても、慢性疾患患者(腎疾患患者)にとっては重症化する可能性もあると言われてきた。我々が強く懸念していたなかで、沖縄、兵庫と続いて腎不全患者が死亡したこと に大きな衝撃を受けた。
私たち内部障害者(腎機能障害者)は、障害者でありながら医学的な管理・治療も必要とされるなか、これから秋、冬とインフルエンザの感染がさらに拡大していくことが危惧される。現在、厚生労働省に対し基礎疾患を持つ患者に対するインフルエンザ対策をさらに強めるよう要請を行う一方、報道機関にも広く国民にインフルエンザに対する知識啓発や注意喚起を行うよう要請を行っている。
新型インフルエンザは、通常の季節性インフルエンザと同じ程度の毒性であり、タミフルなどの治療効果は高いとされているが、一方で感染力が強いとも言われている。また、これからウイルスが変異し毒性が強くなることも危惧される。
私たちは、必要以上に不安を持ったりあわてる必要はないが、自己管理を再度チェックし日頃からの体調管理に充分注意し、手洗い、うがい、マスクの使用など予防対策にも充分注意していかなければならない。ワクチンの製造も遅れており、供給量も不足していると言われている中、これから厳しい季節を迎えるが、万全を期して迎えたい。
東川 悦子
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