障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

10年2月19日更新

2010年「すべての人の社会」2月号


2010年「すべての人の社会」2月号

VOL.29-11 通巻NO.356

巻頭言  「終わり」から「始まり」へと

日本障害者協議会理事
太田 修平


 年明け早々障害分野では大きな出来事が続いている。足掛け3年にわたる「障害者自立支援法訴訟」の原告の方々と国の間で基本合意が結ばれて、裁判が終結に向かうことと、もう一つは障害当事者が過半数以上で構成される「障がい者制度改革推進会議」のスタートである。

 政府に応益負担の導入の過ちを認めさせ、今後の障害施策については介護保険との統合を前提としないことなど、いくつかの画期的な事項について確約させた基本合意は極めて意義が大きなものである。これを「推進会議」の中心テーマに持ち込ませることができたことは、さらに大きな意味を持つ。 

 さて「推進会議」では、自立支援法に替わる制度の谷間をつくらない新しい福祉法制の検討とともに、権利条約の批准に向けた障害者基本法の改正のあり方、さらには障害者差別禁止法の制定について論じられる予定になっている。

 社会の中には「障害のある人はこういった人たちなんだ」「障害のある人はそれらしく生きることが一番いいことなのだ」など、既成の価値観が根強く存在し、そういう人々の意識を背景に、就職や教育、施設か地域生活かといった日常生活場面の隅々に至るまで、障害を理由にした差別というものが具体的なものとして日々発生しているのである。

 障害者運動の闘いの本質は差別(人権侵害)に抗していく歴史であったといえよう。障害者権利条約の批准に向けた国内法整備が日程にのぼり、障害当事者が過半数を占める「推進会議」がスタートしたことは、この問題に一定の決着をつけるまたとないチャンスである。

 10.31全国大フォーラムの運動が自立支援法の廃止へと追い込んでいったように、今私たちは日々受けている差別への怒りをこめて“障害者差別禁止法”の実現に向けての全国的な大運動を展開する時に来ている。「推進会議」を形だけで終わらせてはならない。重要なのは私たち一人ひとりの声であり、それを束ねる運動なのである。

1月の活動記録

視点  運動にも“改革推進”

藤井 克徳


What's New !

2010年1月7日 国と基本合意文書を調印! 歴史動かす一歩!
◆原告・弁護団・勝利をめざす会 声明文
◆基本合意文書
◆要望書


障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会ニュース 16

報告 フィンランド研修 人権が大切にされる地域社会を目指して

永田 かえで


連載

JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 11 NPO法人 全国LD親の会

精神障害者も当たり前に暮らしたい 生活論・生活療法論の見直し 6
東村へ 「生活臨床」解説と本格的な地域活動開始のいきさつ

中澤 正夫


障害者政策の基礎を耕す 第11回
福祉の分野での「障害者差別」と「してほしくないこと」(3)  内閣府の2008年度調査から

佐藤 久夫


エッセイ パラボラアンテナ〔88〕 急げ、急げ

花田 春兆


Information

障害者放送協議会 シンポジウム 障害者と災害

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