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●解説

  痛風に悩んだ夏目成美

   松尾芭蕉によって芸術性を与えられ、与謝蕪村たちによって
  豊かな詩性を与えられた俳句は、年とともに盛んになり、人々
  の間に広まって行きます。
   現代風に云えば、俳句人口の飛躍的な増加です。
   そうした中で、作品も優れ、人柄的にも信頼出来る人が、俳
  壇の大家たいかとして敬意を表されます。
   夏目成美せいびも、その代表的な一人でした。
   おだやかな優雅な句風、的確な選評で人々に慕われ、随筆や
  先輩の俳人たちの研究にも筆を染めていました。
   また、札差ふださしという現代の金融業で、江戸で屈指の家
  の主人ということもあって、地方から出てくる俳人や困窮して
  いる俳人たちから頼りにされ、面倒をみてやったようです。
   独特の庶民的な作風で有名になる信濃の小林一茶いっさも、
  江戸では彼の世話になっていたのです。
   その彼は、ひどい痛風に一生を悩まされる身だったのです。
  歩けないだけでなく、激痛が去りませんでした。
   一旦は隠居しますが、弟の若死によって再び痛む身で家業に
  着いたのです。その彼の救いは俳句でした。


    著名な俳人で、札差しでも
    あった 夏目 成美は一茶の
    保護者。ひどい通風に一生
    を悩まされた。
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