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●解説

  盲人の琵琶の祖 蝉丸せみまる

   都から東国に赴く道の第一の関所、東山から近江へと下る逢
  坂おおさかの関は、別れの悲しみとともに、逢うという地名に
  再会への期待を託して、古くから有名でした。
   その関近くの逢坂山の山中で、いつの頃からか、夜な夜な妙
  なる音楽が聞こえるという噂が立ち始めます。
   天狗か山の神の手すさびか、一度耳にした者は魅いられたよ
  うになるのでした。
   が、ある満月の宵、その正体が判明します。都から尋ねて来
  た横笛の名手という人が、流れに面した岩に座して、琵琶を弾
  いている盲目の人影をつきとめたのです。
   蝉丸とだけ名乗るその人は、宮中に仕えていた者とも醍醐天
  皇の第四皇子その人とも、思われるのでした。
   笛の主は、それ以後月夜毎に逢坂山に通いつめて、ついに、
  琵琶の秘曲「流泉りゅうせん・啄木たくぼく」を伝授されるま
  でになった、と伝えられています。
   この話は全国に伝わり、国々から音楽を志す盲人たちが教え
  を請いに集まったと云います。
   こうして貴族階級の琵琶が、盲人たちによって全国の庶民の
  間に広められて行くのです。


    蝉丸は高い身分の出の盲目
    の琵琶法師。その素晴しい
    音色の教えを請いに人々が
    全国から集まった。
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