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●解説 上州の王者・村上鬼城 正岡子規の「歌詠みに与うるの書」に感動して、文学に真の 生き甲斐を見いだした一人の男が、群馬県の高崎に住んでいま した。 裁判所の代書(現在の司法書士)で、度重なる人生の挫折に、 欝々として心晴れぬ日々を送っていたのです。 挫折。その原因は耳でした。 陸軍士官学校への入試を、全く思いもしなかった耳に障害で 不合格となり、それならば・・・・と単身上京して大学での勉学に 、夢を託した司法官への道も、耳が悪いという同じ理由で閉ざ されてしまったのです。 その頃には自分でも聞こえが悪いことが、いやでも明確にわ かるほどに、進んでいたのです。 現実を現実として直視して行く、そこに新しい文学の生命を 発見した彼は心機一転、俳句に打込んで行きます。 誇りを持 って我が住む上州の山河を詠み、傷ついたり、障害を負った小 動物に自分を投影させます。 彼の名は、村上鬼城。大正期の代表的俳人です。 春寒やぶつかり歩く盲犬 芋畑の月夜に棲める王者かな 傷ついた小動物に自己を 投影させた難聴の俳人 村上 鬼城。[←←最初] [←前頁] [次頁→] [最後→→]
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