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●解説

   古事記が完成した一千三百年近い昔、大和・奈良時代は日本
  が統一国家としての整備を急いでいたとき、目標は公地公民の
  国家でした。農民一人一人に土地を割り当てて、直接に税を納
  めさせるシステムの中で程度に応じての障害者減税が明文化さ
  せているのです。
   しかし、土地を離れて流浪の遊芸の群れとなっていた人達の
  中に多くの障害者がいたのは事実のようです。

   一千百年前、都が京都に移った貴族の世になると障害者は
  歴史の表の姿を見なくなります。
   琵琶の祖師として知られる蝉丸も嵯峨野の院君子も岩倉の
  里子たちも都には住みにくかったのでしょう。
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