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●解説

  「病床六尺」の正岡子規

     足立たば北インディアのヒマラヤの
     エヴェレストなる雪喰わましを

   〈足立たば〉に始まる一連八首の中の一首です。
   この他には、箱根の温泉に浸りたいとか、台湾に渡ってみた
  いとか、月夜の湖に船を浮かべたいとか、思いつくままに詠っ
  ているのですが、いかにも俳句的なものと、世界に開かれた
  明治という時代の勢いを感じさせるものとが両立していて、興
  をそそられます。
   作者の正岡子規は、日清戦争の従軍記者となり、帰国の船上
  で大血し、以後、腹部・腰・尻とカリエスの患部は拡がり病床
  に釘付けの身になって行きます。
   進行しているのですし、医療を必要としていたのですから、
  正確には障害よりも病気なのでしょうが、それが日常の生活で
  あり、歩けないという状態が長く続くという点では、障害者仲
  間にしてもいいのでしょう。
   そうした「病床六尺」の世界の中で仰臥のままに筆をとって
  、伝統の日本古来の文学に新しい時代の息吹を吹き込む〈俳句
  革新〉次いで〈短歌革新〉と文学史に残る大事業をなし遂げて
  行ったのです。


    カリエスの病床で俳句・短歌
    の革新をなし遂げた
    正岡 子規。
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