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●解説

  折り紙と木版活字の葛原勾当

   一枚の紙から立体的な鶴が生れ、亀が生れ、金魚が生れる日
  本の折り紙の不思議さが、近年ニューヨークで話題を呼びまし
  た。しかも、その折り紙の主が視力障害者であったことが、余
  計に驚嘆されたのでした。
   でも、百数十年も前に、折り紙の名人と唱われた盲人が、備
  後国八尋村(現在広島県安芸郡神辺町)に住んでいました。翼
  の両端にそれぞれ小さな鶴を付けた子持鶴など、至芸の極みの
  ような幾つかは、その人の工夫によるものだとされています。
  その人の名は、葛原勾当。
   琴の名手で、年若くして勾当になったのですが、生涯ついに
  検校になることはありませんでした。
   あくせくとした都市生活と違って、地方の裕福な家で一生を
  過ごせることが、無理に検校の位に執着する必要を生まなかっ
  たのでしょうし、金で買えることが普及しすぎて、検校の権威
  を低くしていたことも、作用していたことも考えられなくはあ
  りません。
   さらに驚くべきことに、江戸から明治にかけて33年間の日
  記が遺されているのです。自家製の木版活字を握りの刻みを頼り
  に枠の中に並べて、綴ったのでした。
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