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●解説

  魔法の手・コンピュータ

   中国のスーパーモンキー孫悟空の話を借りれば、電動車イス
  が重度障害者にとってのキント雲になっているように、コンピ
  ュータはさしあたり如意棒の役ということになりましょうか。
   手に鉛筆やボールペン、または絵筆が持てなくても、文字が
  書け、絵まで思いのままに描けるのですから、これはもうコン
  ピュータ時代以前の人にとっては、まさにスーパーマジック以
  外の何ものでもないでしよう。
   ワンタッチのボタンスイッチや、水鳥の のように頭に着け
  た指示棒や、吐く息・吸う息で作動する入力装置などを使うこ
  とによって、手が不自由で、しかも言語障害もあって、今まで
  表現手段を持たなかったような人々が、心を語り、夢を描いて
  見せ始めたのです。
   閉ざされて伺えなかった一つの内部世界が、明るく開かれた
  のです。
   人一人の命の重さは、地球の重さに匹敵するとも言われてい
  ますが、一人の人の内部世界が明らかになることは、新しい星
  の発見にも負けないほどの素晴らしいことなのではないでしょ
  うか。
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