障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

21年3月3日更新

文化審議会国語分科会国語課題小委員会(第41回)「碍」の常用漢字化の再度の否定についての声明

○JDは、障害(しょうがい)の表記について、「碍」の常用漢字化を要望しておりましたが、2021年2月26日の文化審議会 国語分科会 国語課題小委員会第41回(最終回)の議論では再度見送られました。
この報告(案)について、「『碍』の常用漢字化の再度の否定についての声明」を公表いたしました。
 【PDF版はこちらから】

2021(令和3)年3月1日

文化審議会国語分科会国語課題小委員会(第41回)
「碍」の常用漢字化の再度の否定についての声明


認定NPO法人日本障害者協議会(JD)
代 表  藤 井  克 徳





 2月26日の第41回文化審議会国語分科会国語課題小委員会で、「碍」を常用漢字に追加することも「害」を用いた「障害」の表記を見直すことも否定する報告(案)が承認されました。
 報告(案)は、「害」の字に傷つく人々がいること、見直しの検討を政府に求めた国会決議も「重く受けとめた」とは言いながら、実質的には全くのゼロ回答となりました。3年近い検討の結果がこのようなものとなったことを大変残念に思います。

 2006年に国連で採択され、日本が2014年に批准した障害者権利条約は、心身の機能障害の存在は尊厳と人権に影響しないという理解に立ち、環境と支援の改善を通じて障害のある人が平等に参加できる社会を目指しています。心身の故障が問題の原因であり、障害者は社会にとって迷惑な存在だとする医学モデルを180度転換し、社会モデル・人権モデルの障害理解に切り替えたのです。本協議会はこの条約に沿った障害理解が広がることを願って、2018年と本年、文部科学大臣あてに要望書を提出し、「害」を用いた障害の表記のあり方の見直しと、「碍」の常用漢字化を要請してきました。

 今回の報告(案)の結果、「害虫・害悪の害で呼ばないでほしい。私は迷惑な存在ではない」という障害当事者の気持ちは引き続き軽視されることとなります。アイデンティティーを傷つける表記が多様な法令で定められている事態は継続します。
 本協議会は、関係者と連携して、今後も継続的にこの問題を重視して取り組んでまいります。各障害者団体、関係団体、マスコミ、国会、政府の関係部局、地方自治体などでもこの問題に引き続き関わってくださるようお願いいたします。

                     

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