障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

21年1月27日更新

緊急声明 新型コロナウイルス対策関連法の国会上程にあたって

○JDは2021年1月26日、障害のある人のコロナ対策に関して、「緊急声明:新型コロナウイルス対策関連法の国会上程にあたって」を公表し、 各政党ならびに内閣総理大臣、厚生労働大臣宛に提出いたしました。
 【PDF版はこちらから】

2021年1月26日

認定NPO法人日本障害者協議会(JD)
代 表  藤 井  克 徳



緊急声明
新型コロナウイルス対策関連法の国会上程にあたって




 1月22日、政府は新型コロナ対策の特別措置法や感染症法などの改正案を閣議決定し、国会に提出しました。法案には、入院勧告を拒否したり、疫学調査に応じない場合、感染した患者への1年以内の懲役という刑事罰や100万円以下の罰金刑の導入が盛り込まれています。
 入院したくとも自宅待機を余儀なくされる人たちが多い現状にもかかわらず、なぜ、人々の権利を制限し、刑事罰を与える法改正が必要なのか、理解できません。

 日本障害者協議会(JD)は、今回の法改正による刑事罰や罰金刑の導入は、患者の人権を著しく損なうものとして決して容認できません。今回の改正案には、過去の負の歴史から学ぶ視点が欠如しています。感染症法の前文には、ハンセン病やエイズ対策への反省が明記されています。また、精神科病院への措置入院や医療保護入院といった強制医療が、日本の精神障害者への偏見差別を助長し、人々の人権を大きく損ねてきました。
 また、障害のある人の中には、入院を強制されることによって不安に駆られ、本意ではなく入院を拒否するという事態も考えられます。

 今回の改正案は、この社会で暮らす人々の多様性への配慮が欠如しており、新型コロナウイルス感染症患者の人権を侵害し、偏見差別を助長し、不寛容な社会の風潮をさらに強め、多くの人にとって生きづらい社会へ傾斜させる法律です。

 政府に求められることは、医療・保健所体制の充実、必要性に対応した補償や給付金等、財政支援に他なりません。また、そうした施策を通しての、一日も早い感染収束です。罰則を設けることは、市民相互の不信感を醸成させるだけです。私たちは、感染症法改正案がもつ問題の本質を認識し、特に罰則に関する条項の削除を強く求めます。

                     

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