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17年4月17日更新

緊急アピール-精神保健福祉法改正案について-

○JDは、4月17日、「緊急アピール-精神保健福祉法改正案について-」を衆参厚生労働委員会委員へ送付しました。
【PDF版はこちらから】

2017年4月17日



                          緊急アピール
                 -精神保健福祉法改正案について-

特定非営利活動法人
日本障害者協議会(JD)
代表 藤井 克徳




 現在、国会で審議中の精神保健福祉法改正案について、当会は3月30日、1)相模原事件の検証と徹底究明、2)根拠がない法改正案で再考すべき、3)強制入院における権利擁護の仕組みの創設を求めるという3点を柱とした意見を表明し、厚生労働省および衆参厚生労働委員会委員へ送りました。

 ところが、4月13日の参議院厚生労働委員会で、法案の趣旨に書かれていた「相模原市の障害者支援施設の事件では、犯罪予告通り実施され、多くの被害を出す惨事となった。二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意して法整備を行う」という文章が削除され、いくつか修正もされて再提出されるという、野党議員ばかりか与党議員も驚愕する事態がおきたのです。社会保障審議会障害者部会の審議を経て閣議決定された内容が修正されるなど、前代未聞の出来事で、あるまじきことでしょう。

 一方、本年1月20日、安倍総理大臣は第193回国会施政方針演説で「昨年七月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります」と述べ、精神保健福祉法の改正によって再発防止することを明言しました。つまり、法案の趣旨の削除部分と同趣旨のことを述べているのです。削除が成るとすると、施政方針の当該部分の有効性が問われることになります。これはこれで、看過できない問題です。

 いずれにしても、法案は施政方針との整合性を欠き、立法根拠を失うことになります。もはや国会審議に耐えられないように思います。  ここに、改めて、精神障害者の差別・偏見を助長し、権利侵害の危険性のある法案を廃止し、当事者参画のもとでの再検討を求めます。
                                                                以上              

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