13年4月30日更新
2013年3月27日、JDは、内閣総理大臣、法務大臣、総務大臣宛の標記の要望書を提出しました。しかし同日、
国は、選挙事務の問題を理由に控訴しました。
JDは、東京地裁の判決趣旨に則り被後見人の選挙権回復の法改正のために、今後も運動していく所存です。
*政府与党は、2013年4月26日、成年被後見人が「選挙権及び被選挙権を有しない者」と規定されている公職
選挙法条文の一部を削除し、この改正案を今国会中に成立させる方針を公表しました。
成立すれば、13万人余の人が新たに選挙権を得ることになります。この夏の参院選から投票できるようになる
ことを願います。
2013年3月27日
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
法 務 大 臣 谷垣 禎一 様
総 務 大 臣 新藤 義孝 様
特定非営利活動法人
日本障害者協議会(JD)
代表 勝又 和夫
成年被後見人の選挙権剥奪の違憲判決に対する控訴の断念を求める要望書
貴職におかれましては、日頃より障害分野にご配慮いただき、心より御礼申し上げます。
去る3月14日、東京地方裁判所は、成年後見人が付くと選挙権を失う公職選挙法の規定(第11条第1
項第1号)は、憲法違反であり無効であるとの判決を下しました。
障害関連団体で構成する当法人は、障害のある人の、社会への完全参加と平等の実現をめざすため
に運動している団体として、東京地裁の判決を全面的に支持し、国は控訴を断念されることを要望いた
します。
そもそも選挙権剥奪の規定は、明治時代からの禁治産制度が2000年に廃止され成年後見制度に代わ
った際にも、差別的な規定と批判されながら残存していたものです。政府の説明は「精神上の障害のた
めに識別能力が欠けている人の政治参加は期待できない」とのことですが、判決では、「被後見人が総じ
て選挙権を行使する能力に欠けるものではないことは明らか」と否定されました。また、政府は「一律に選
挙権を与えることは問題である」とも主張していますが、「後見類型になると一律に選挙権を剥奪される」
という権利侵害こそが大きな問題です。海外でも知的障害のある人等の選挙権を認めることが主流となっ
ており、日本政府も署名済みの障害者権利条約の趣旨からしても、この規定の廃止は自明のことであります。
成年被後見人も日本の主権者たる「国民」であることが判決では明言されました。成年被後見人が国民
の一人として選挙権を行使すべき存在であるとの認識のもとに、選挙権回復の法改正を進められることを
合わせて要望いたします。
以上
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