障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

18年6月29日更新

2018年「すべての人の社会」6月号



2018年「すべての人の社会」6月号

VOL.38-3 通巻NO.456

巻頭言 人生最後の時に備えて

NPO法人日本障害者協議会理事 (一社)全国腎臓病協議会理事 馬上 和久


 2016年春、心臓検査と同時にカテーテル治療を受けましたが、治療後30分程して40度の高熱と身体一面の発疹に見舞われました。3度目の心臓カテーテル治療でしたが、このとき初めて強度のアレルギーを発症しました。結果、体表面はもとより消化器系内面も糜爛して爛れました。 原因は、心臓検査時に使用されたヨード系撮像剤によるもので、3カ月間入院を余儀なくされました。病名はスチーブンス・ジョンソン症候群とかで、病院開院以来初の重症患者になりました。

 引続く昨年には、動脈弁置換及び冠動脈バイパス手術を受けることになり、伏せる病床では、当然ながら命の重さや寿命について考えさせられました。残る妻や子どもたちのこと。家のこと。お金のこと。どんな風に自身の最期を迎えたら良いのだろうと。現在は一戸建てですが、多くの方々から言われます。老後はマンション住まいが最適だよと。妻とも話しました。二人とも集合住宅(マンションやアパート)に住んだ経験が無かったのでとても不安でした。

 それでも、昨年夏から冬にかけて家を建て直しました。併せて、多くの思い出と品物を捨てました。どうしても捨てられなかったクラリネットとフルート、それに古いレコードを残して、過去との決別を済ませました。 20年を超えて透析治療を受けて来た身であるが故に、いたる処に合併症が発症している状況は自覚していますし、命が先細って来たことも何となく感じています。学会では、数年前からターミナル期における治療の在り方について論議され、指標が確立されつつあり頼もしい限りです。

 エンディングノートに希望を明記するのも一方法だと思います。良き時代になったものだと痛感します。自身の最期の時をどう生きたいか選択できるのですから。

 妻や息子に言います。お願いします。

 「自分は一所懸命生きることに努めます。ですが、これ以上この人をこの私を……と思ってくれるのであれば、全ての治療を止めて欲しい。」と。 多額の税金を遣って永らえた命。もう十分に生かしてもらいました。ちょっぴりこの世に未練はありますが感謝の気持ちで一杯です。でも、その時が来るまで最善を尽くして生きたいと思います。恥じない自身の命を全うするために。その時まで、みなさんよろしくお願い申し上げます。

2018年5月の活動記録・講師派遣

いのちの重みを共有し、人間のくらしを中心に考えよう

JD昨年度事業報告と本年度事業に向けて(※第7回総会議案書『はじめに』より)


ささえあい つながり わすれない

被災した熊本のいま―支援活動を終えて―篠原 憲一


連載2 呉秀三に学ぶ 日本精神医学の金字塔 『精神病者私宅監置ノ実況』刊行100年

みんなで考えて決めていく~呉秀三博士の時代を超えて~佐藤有紗、北島沙希、三村豊、前景一朗


連載 他の者との平等―メディアの可能性―

第6回 優生思想―この厄介な怪物大西 隆


連載 障害者権利条約パラレルレポートへの道

第11回 手話通訳の課題をパラレルレポートに佐々木 良子


トピックス・インフォメーション

私の生き方

第54回 身体障害とてんかんとバドミントンと私藤野 遼


JDのうごき

JD第7回総会開催
かけがえのない“いのち”を大切にする活動を
午後の政策会議ではパラレルレポートJD草案を報告


連載エッセイ 障害・文化・よもやま話

第8回 戦争と障害者②荒井 裕樹


賛助会員大募集中!
毎月「すべての人の社会」をお送りいたします。

■個人賛助会員・・・・・・・1口4,000円(年間)
■団体賛助会員・・・・・・1口10,000円(年間)

▼お申し込みは下記JD事務局へメール、電話、FAXなどでご連絡ください。
〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 日本障害者協議会
TEL:03-5287-2346 FAX:03-5287-2347

○メールでのお問合わせはこちらから office@jdnet.gr.jp
○FAXでのお申込み用紙はこちらから 【賛助会員申し込みFAX用紙】

※視覚障害のある方向けのテキストデータ版もございます。
※ご不明な点はJD事務局までお問い合わせください。



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