16年7月21日更新
VOL.36-4 通巻NO.433
NPO法人日本障害者協議会理事/一般社団法人全国腎臓病協議会理事 馬上 和久
先日5月27日(金)に開催された日本障害者協議会第5回総会において、理事選任の承認を戴きました全腎協・馬上和久(まがみかずひさ)です。未熟者ですがよろしくお願いいたします。
皆さんが所属する夫々の組織は結成以来30年・40年・50年と、長い歴史を持つ組織が多いことと思います。そんな組織の節目の年にあたり、記念式典や組織の見直しがされることがあるようです。その中で会員拡大や財政の健全化等が多く取り上げられます。組織にとって会員数の増加や財政健全化が一番大事なことでしょうか。「数の力」は重要なことだと思います。また、「何をするにつけてもカネ」とも言われます。しかし何か大事なことを忘れていないでしょうか。組織には、「大勢を占める既成事実」を動かしたり、人を「その気」にさせる人の居ることの大切さです。
私は、組織にとって大切なのは人だと思っています。今何をしなければならないかを正しく理解して、一致協力して実践出来る人々。これが組織力であり組織活性化の源であろうと思うのです。秀でたリーダーは必要無く、常日頃議論する中で自己を知り他の人を理解して、協力体制の地ならしをすることこそがポイントだと痛感しています。議論する組織。意見や方法論が百出して、収拾がつかないほど迷走する組織は、活力があってチョットしたヒントで、とても良い成案を得られます。事務局や三役会では議題・課題に対する結論は出さず、むしろ、皆の意向や意見を聴くことが肝要です。意見が出尽くした後、どうまとめ、どう取り組むのかが重要で、文書等で明確化し周知徹底を図ることが、第2のポイントであると思います。検討会議・理事会等と言いながら、提起される審議(案)には検討の余地がないほど詳細に内容が煮詰められたものがあります。(案)は概略を提起し、詳細な内容検討は会議で決すれば良いことです。これこそが組織力を高めるための第一歩であり、全ての会活動改革の始まりであるよう思えてなりません。併せて、人を育てる良い機会にもなるものと信じています。
一般的に会の歴史が古いほど、組織は動脈硬化に陥っています。周年記念の節目にあたり、人の思考のリストラクトを図ってみては如何でしょうか。人は育ち方によって大きく開花する場合があります。 このような可能性は全ての人に共通します。人を信じ会活動の一時期を担うことは、とても意義あることです。ボランティア精神を忘れず与えられた使命に、邁進したいものです。
NPO法人日本障害者協議会副代表 石渡 和実
6月18日(土)、19日(日)の2日間、小倉にある北九州国際会議場で日本ケアマネジメント学会(理事長:白澤政和桜美林大学大学院教授)の第15回研究大会が開催された。「すべての人々の明るい未来を目指して」をメーンテーマに、サブテーマには「ケアマネジメントを担う人々の専門性を探る」が掲げられていた。約1200名もの参加者があり、大盛況であった。
筆者も、第1回の2001年大会から参加している。ご推察のとおり、2000年の介護保険スタートとともに位置付けられた介護保険のケアマネージャー、介護支援専門員が多い学会である。ひたすら障害畑で30年以上を生きてきた筆者には、正直、ちょっと居心地の悪さを感ずることもある。
しかし、障害分野にとっての大きな課題、「65歳問題」と向き合うにあたり、高齢分野の介護支援専門員の動向には注目せざるをえない。学会は2年ほど前から、障害分野のケアマネジメントとの連携を視野に入れた調査研究なども進めている。そして、今年の大会で「専門性を探る」を掲げたことについて、大会長の白木裕子氏は次のように主張する。「介護保険制度における高齢者ケアの領域のみならず、ケアマネジメントの対象を障がいや生活困窮など、支援を必要とする全ての人々と幅広く捉えるとともに、ケアマネジメントを担う様々な職種の専門性に着目した研究発表を行うこととしております。」
白木氏は、高齢分野のみならず、障害者ケアマネジメントの実践も豊富な方である。また、学会の「認定ケアマネージャー」養成の中核を担っている存在でもある。「認定ケアマネ」とは、介護支援専門員の資質向上をめざす学会独自の研修システムを修了した者で、これまでに796人が資格を取得している。そして、この資格があると、2006年の介護保険法の改正で登場した、「主任介護支援専門員」の取得も有利になるのである。
「主任介護支援専門員」は、団塊世代が75歳以上になる2025年に向けた「地域包括ケアシステム」構築でも、チームリーダーとなることが期待される専門性の高いケアマネージャーである。この資格が設置された背景には、厚生労働省にケアマネジメント学会が積極的に働きかけ、介護支援専門員の資質向上に寄与してきたことも大きいと考えられる。
そして、今回、大会に参加して、介護支援専門員が本当に「元気!」だと感ずる。1000席もある会場が、全体が集まる講座では空席が見つからない。2日間ずっと、である。「支援を求める人のニーズに確実に応えたい」「意欲満々」といった空気がひしひしと伝わってくる。研究発表でも障害者の就労支援に関わった事例などもあり、多彩な、質の高い報告が、どのセッションでも行われていた。もちろん課題もあるが、学会という組織として、専門性を高めるシステムを築き、制度化に結び付けてきたことの意義を実感させられる。
一方で、障害分野の相談支援専門員については、最近、「疲れきっている」という声を聞くことが多い。サービス等利用計画の策定に汲々とし、「一人ひとりに寄り添う」という本来の相談ができなくなっているとも聞く。「当事者主体で、地域のさまざまな力を活用する、障害者ケアマネジメントこそ本来の姿である」(白澤氏)と言われていた。こうした原点に立ち返り、新しいニーズに応えるためには、高齢分野から学ぶことも含め、相談支援専門員の位置付けや養成システムについて再検討すべき時だと考える。
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