15年6月1日更新
VOL.35-2 通巻NO.419
NPO法人日本障害者協議会 理事 戸髙 洋充
『病棟転換型居住系施設』(精神科病院敷地内における障害者グループホーム)については
大きな論議となり、昨年6月26日には東京・日比谷公園の野外音楽堂で3,200人の反対集会が
開かれました。
精神科病院から社会的入院の患者さん達を地域に移行する流れを作り、地域生活の仕組み
作りが展開されつつある中、障害者権利条約を昨年1月に批准した日本で、条約第19条にも
反する『病棟転換』は、到底認めることはできません。
今年1月16日(公布。施行は同年4月1日)、障害者総合支援法(以下、総合支援法)に基づく
障害者グループホームの指定基準を定める省令が改正されました。これまで、総合支援法に
基づく障害者グループホームは、入所施設や病院の敷地外にあることが原則でしたが、2024
年度までの間、所定の条件を満たす場合、精神病床の削減を行なった場合の病院の敷地内
グループホームの特例を設けることができることになり、その取扱いは都道府県等の条例に
委ねられました。
私の地元の神奈川県障害者施策審議会では、今年2月、特例の取扱いの条例改正を2015
年度は実施しないとしました。その理由は、障害者団体からの反対意見があり現時点で十分
な理解が得られていないこと、国としても、2024年度末までの間の特例として試行実施として
おり、3年間の実績を踏まえ4年後をめどにサービスのあり方を検討するものとしていることを
挙げていました。2016年度以降は、との質問には、今後、他県の特例の実施状況、本県の精神
科病院の状況、障害者関係団体等の意見をみながら特例が必要と考えられる場合には、改め
て条例改正を検討するとの回答でした。
条例改正の取扱いについて、神奈川県と同じ決定をしている東京、千葉、大阪、福岡等の情報
もあり、条例改正が実施されないように『病棟転換』反対を訴え続けていく必要を強く感じています。
30年前、私が地域作業所に勤め始めた頃、精神科病院デイケア(DC)と作業所を併用している
方がこんな話をしてくれました。私の、DCと作業所はどう違いますか?との問いに、「DCは病院の
中だよ。作業所はまちの中だから全然気分が違うし、作業所に来ているほうが気持ち良いよ」。
病院は治療の場です。生活はまちの中でするのが当たり前というまちづくりを皆で本気になって
やらないと、世界の精神科病床の2割を占める日本の病床削減や病棟転換の問題はなくならない
と思います。
増田 一世
第1回 パラレポとは何か 佐藤 久夫
第4回 ロービジョンの視点から超高齢社会の空間づくりを考える―五感に訴える空間づくり ― 原 利明
薗部 英夫
磯野 博
益本 裕美
「布団星人」の日常 尾下 葉子
島本 禎子
響け「曼陀羅」
花田 春兆
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