15年4月24日更新
VOL.35-1 通巻NO.418
NPO法人日本障害者協議会 理事 山本 尚司
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催まで、あと5年余りとなりました。まだ先のこと
のようにも思えますが、準備は各方面で着々と進んでいます。 先のロンドン大会では、パラ
リンピックの盛り上がりも記憶に新しいところです。ロンドンのオリンピック会場が満員の観客
でうまっており、熱い声援が送られていたことが印象的でした。それは単なる一大イベントの
成功というだけではなく、インクルーシブ(inclusive)な社会の成熟度をうかがわせる表れなのです。
日本でもパラリンピックの成功なくしては、東京オリンピックの成功はないと言われています。
なぜなら、それは日本という社会のあり方が世界に示されることになるからです。 いまや、
パラリンピックにおいても世界各国がメダルの数を量産するために、国をあげて選手の発掘や
強化に取り組む時代となっています。ところが、国内のパラリンピック事情を見渡すと、選手が
高齢化し2020年を担う選手がいないという事態に直面しています。
わが国の障がい者スポーツは、1964年の東京オリンピックを契機に、身体障がい者の更生
援護施策の一環としてはじまりました、その中で障がい者スポーツは、リハビリテーションを
社会参加のための一つのツールとして活用されてきたのです。つまり、リハビリテーションは、
障がい者スポーツ選手の育成と発掘の一端を担っていたのですが、現在は疾患別リハビリ
テーションの流れの中で、(リハビリ期間が設定されたことで、)障がいを生涯にかけてみる
機会が失われつつあるのです。
2011年8月に施行された「スポーツ基本法」では、障がいのある人を含めて「スポーツを通じ
てすべての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会」、を目指し、国家戦略として
の方針が示されています。また、2012年3月に策定された「スポーツ基本計画」においては、
「年齢・性別・障がいの有無等を問わず、広く人々が関心・適性等に応じてスポーツに参画
できる環境を整備すること」など、取り組むべき具体策が示されています。その理念の実現
のためには、東京オリンピック・パラリンピック開催は、リハビリテーションや社会のあり方を
再考する絶好の機会となるでしょう。
藤井 克徳
第3回 公共交通機関におけるバリアフリー化整備の最近の動向と課題 澤田 大輔
佐野 竜平
後藤 強
防災世界会議スケッチ
皿海 みつる
Y・K
上田 麻里子
蛭子再来
花田 春兆
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