14年10月16日更新
VOL.34-7 通巻NO.412
NPO法人日本障害者協議会 理事 髙橋 秀治
昨年8月に亡くなった叔母の一周忌に行ってきた。十数軒の親戚が久しぶりに集まったが、
やはり高齢者が多く、久々の再会に話を弾ませていた。最近は癌で亡くなる人が増えてきたが、
それがわかってしまうと、「とことん戦う」人と、成り行きに任せる人もあり、その話題になると、
日頃の生活に対する姿勢が浮き出てきて、話は尽きなくなる。
戦時中に子ども時代を送った人も多く、そのときの体験は暮らしを立て直すことで夢中だっ
たが、ようやく経済が落ち着いてきて、社会が穏やかになる頃は、もう暮らしの主役は次の
世代に譲ることになる。みんなそれぞれに言い尽くせない苦労を背負ってきたものの、「家族
の絆」が大切だったという点で一致していた。「家族はよく喧嘩をするが、すぐ忘れてしまう」と
80前の老人は言う。私は子どもの頃、家族が離れていたこともあり、「そういうこともあるものだ」
と感心して聞かせてもらった。
さて、日本の障害者問題も1948年のヘレン・ケラーの来日が後押しをして、翌1949年、身体
障害者福祉法が公布されてから、行政の課題になった。そして1981年の国際障害者年以降、
でこぼこはあったものの、障害者問題は世界的な規模で解決していかなければならないという
考えが広がり、日本は今年ようやく障害者権利条約の批准にこぎ着けた。 政府も地方自治体も、
そして障害のない市民も、社会の中で障害者が普通の人と同じ権利、義務を持つことに反対でき
ない状況になってきた。家庭の絆からさらに人間の絆を強めることの大切さが確認されつつある。
戦前のことを知る人から見れば、驚くべき変化であろう。
しかし、人間の絆とは何だろう。
そこそこ経済が安定して、個人の生活の自由、政治的立場の自由が保障されているはずだが、
一人ひとりは、絆というより、逆に自分だけの世界にこもってしまわないだろうか。孤独な「わたし」
を思うこともあり得る。しかし、これは年輪を重ねるごとに問われる問題で、当然それぞれに違った
結果が出るはずである。ある意味でそれは当然だが、個人の絆と社会との絆をしっかり持てる人
は凄いと思うが、1周忌に出かけてそんなことを考えるのは、歳のせいかも知れない。
増田 一世
大曽根 寛
斎藤 縣三
山本 深雪
山本 弘子
相羽 大輔
すべての加盟団体のみなさんに感謝
いつもドキドキ、ヒヤヒヤ
多様な団体を実感
卆寿自祝
花田 春兆
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