障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

15年1月22日更新

2015年「すべての人の社会」1月号


2015年「すべての人の社会」1月号

VOL.34-10  通巻NO.415

エネルギー不滅の法則

 NPO法人日本障害者協議会 代表 藤井 克徳 



 「羊の皮をかぶった……」には、これまでに倍して気をつけなければならない2015年になりそうだ。
総選挙の結果も手伝って、さまざまな分野でアベノミクス路線が幅を利かすことになろう。耳触りの
いい言葉づかいに惑わされることなく、一つひとつの政策の本質を正確に見抜かなければなるまい。
アベノミクス路線の主要ターゲットの一つに社会保障分野が含まれていることは周知の通りであり、
社会福祉法人制度の「改革」を入り口に、わが障害分野に関してもギョッとするような新手の奇策が
打ち出されても不思議ではない。

 常識的に考えれば、本年4月に行われる統一地方選挙までは無茶ぶりはないように思う。問題は
そのあとである。

 2016年夏までは、政治や政策に対する国民のチェック機能は働かせようがない。つまり、本年5月
から参院選が近づく前までの来年早々までは、政権与党にとっては文字通りのフリーゾーンという
ことになる。何が出てくるやら。

 さて、わが障害分野の対処法であるが、問題のある政策が打ち出された場合に決して坐したままで
あってはならない。とにかく声を上げることである。しかも根拠や合理性を伴う声を。何よりいけないの
は早々にあきらめてしまうことである。私の持論に「エネルギー不滅の法則」がある。これは、いったん
当方から発したエネルギーは、どんなに小さくとも、形を変えながらもどこかにつながっていくというもの
である。誰かの心の中に残り続けるかもしれない。むろん、政権や与党の中にも真摯に受け止めてく
れる人が存在していることを忘れてはならない。まともな声には無駄がないのである。

 ごく簡単になるが、2015年の障害分野について概観してみたい。まず掲げたいのは、戦後70年を
障害の視点からも深めなければということである。そのうえで、注目すべきは障害者権利条約の履行
状況に関する国連への報告書についてである。日本政府作成の報告書に正確さを求めるのと同時に、
パラレルレポート(政府報告書に対する民間からのチェックレポート)を作成することである。政府報告
書の作成期限は2016年2月で、事実上年内がポイントになる。さらには障害者基本法の定時改正へ
の備え(法的な改正年は2016年)、差別解消法の施行前年としての課題の遂行(ガイドラインの作成
や市民への普及など)が問われる。また、東日本大震災は発生から5年目に入り、阪神淡路大震災
からは20年にあたる。3月の国連防災世界会議の中で障害分野をきちんと位置付けることと合わせて、
「大災害と障害」をめぐって特別の節目とすべきである。

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2014年12月の活動記録


新春鼎談 障害者権利条約を日本中に根付かせよう
「私たち抜きに私たちのことを決めないで」を貫くために

                 石川准、藤井克徳、増田一世           



連載 私の考える「他の者との平等」

第6回 自分らしい生き方、働き方を目指して
               斉藤 恵司          



連載障害者支援の現場から…第12回
障害のある人の地域で暮らす権利の実現に向けての課題
~グループホームの開設をめぐる地域住民との「摩擦」をとおして~

 
              酒井 依子          



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                         花田 春兆         




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精神科病棟転換型居住系施設を考える東京集会




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