障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえ、障害のある人々の社会における「完全参加と平等」や「ノーマライゼーション」の理念を具体的に実現することを目的として、各種事業を全国的に展開しています。

13年12月25日更新

2013年「すべての人の社会」12月号


2013年「すべての人の社会」12月号

VOL.33-9  通巻NO.402

知的障害と当事者参加

 NPO法人日本障害者協議会理事
 公益社団法人日本発達障害連盟会長 金子 健 



 日本発達障害連盟は、社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会、公益財団法人日本知的障害者
福祉協会、全日本特別支援教育研究連盟、発達障害学会の4団体によって構成されている。つまり、
知的障害の本人と家族、サービス提供者、教育関係者、研究者など、知的障害を含む包括的概念と
しての発達障害に関わる幅広い人々の集まりである。

 私たちの連盟は、1974年の結成以来、アジア知的・発達障害連盟の一員として、アジア諸国の関係
団体と連携して、情報交換と支援を行なっている。アジア知的障害会議は1973年のフィリピンでの第1
回以来、隔年で会員国持ち回りで会議を開催している。各国の研究者や行政担当者、保護者の情報
交換と連携の場として、今年のインド・ニューデリーでの開催まで、21回、40年の歴史を重ねてきた。

 この会議の最近の大きな特徴は、当事者参加である。障害分野での当事者による発言や運動への
参加は、身体障害が先行していた。知的障害の場合は、その障害の故に本人は発言できない、さらに
は意思を持たないとさえ見られていた。本人に代わって、親が運動し、発言してきたという経緯がある。
この親の会の活動の中で、余暇活動の一環として発足した知的障害をもつ本人のグループが、やがて
自己選択、自己決定を求め、自らの権利擁護(Self Advocacy)の運動を始めたのである。障害者権利
条約の準備段階から言われている、"Nothing about us without us" がこの運動の基底にあり、権利
条約のeasy read(わかりやすく読める)版を編集し、新聞を発行するなど、活動は広がっている。

 これらの当事者参加の機運を受けて、アジア知的障害会議では、日本で開催された第16回会議
(2003年)から、知的障害、発達障害当事者による発表の場をプログラムに入れることを始めた。他の研究
発表やシンポジウムと並んで、家族のこと、仕事のこと、自分の人生について、語り始めたのである。2011年
韓国での第20回会議では、参加者1,500人中、障害当事者は500人であり、日本からは155人の参加者中、
当事者は50人、そのうち8人が発表を行なった。

 国内でも、国や自治体の委員会等で発達障害、知的障害の当事者が委員として参加するようになった。
障害者権利条約が批准された今、当事者参加を一層推進していきたい。

2013年11月の活動記録


視点 権利条約に恥をかかせないで公開中

         藤井 克徳           



What's New! 障害者権利条約の批准が可決成立!

障害者権利条約の批准にあたって(声明)
                    



障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会ニュース(41)


提言

地域生活の危機-危険!病棟転換型居住系施設-
精神障害者の「病棟転換型居住系施設」の問題
            長谷川 利夫          


連載 罪を犯した障害者の背景にあるもの
―生きにくい社会での生き直しの支援―

第4回 信頼できる人との出会い~社会福祉講話から その2~
            赤平 守           


連載 谷間の障害と言われた精神障害 抜本的な改革に向けて

第6回 精神障害のある人の所得保障の状況
            山口 多希代          

連載 障害者支援の現場から…第2回

福祉の仕事を細切れにする仕組み
                  高橋 温美           

トピックス


第9回私の生き方


                      佐藤 恵            


連載 JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 56

発達保障研究センター



エッセイ パラボラアンテナ〔132〕 

あちらへの発信

花田 春兆           




第15回全国障害者生活支援研究セミナー
本人の思いの意味を知る~“意思決定支援”の根底にあるもの~



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〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 日本障害者協議会
TEL:03-5287-2346 FAX:03-5287-2347

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