13年11月14日更新
VOL.33-8 通巻NO.401
NPO法人日本障害者協議会理事 白沢 仁
「なぜ、障害者が65歳になると、従来受けてきたサービスを継続できないのか」「なぜ、介護保険優先
なのか」「なぜ、今まで無料でサービスを受けていたのに、介護保険サービスの利用によって有料に
なるのか」。
障害者総合支援法と介護保険制度上の年齢によるサービス利用の区分・格差の不合理な問題が、
障害者・家族を混乱させ、サービスの利用における内容制限や新たな負担問題などをつくり出している。
とりわけ、障害者総合支援法第7条(介護保険優先原則)の規定によって、障害福祉サービスであって
も、介護保険に「相当」「類似」するサービスは介護保険での提供とされ、その結果、住民税非課税世帯
に対し、障害福祉サービスの利用料が無料であるにもかかわらず、介護保険サービスは利用料を徴収
される。このことは、障害者の生活実態を無視していることは言うまでもなく、「一律に介護保険給付を
優先する」こと自体、絶対に納得できるものではない。
この問題に真っ正面から挑む浅田達雄さん。浅田さんは、岡山市在住の重度の肢体障害者で、重度
訪問介護制度を支えに生活してきた。ところが、今年2月の65歳の誕生日、市からサービス打ち切り
通知が突然に送りつけられ、実際に月249時間の自立支援給付がストップした。「介護保険優先原則」
に抗議しての要介護認定拒否であったにも関わらず、まさかのサービス打ち切りに、驚き、怒り、訴訟を
決意させた(9月19日提訴)。65歳という高齢で、しかも重度障害者に訴訟を決意させる、この国の社会
保障・障害者施策とは、いったい何なのか。
私たちは、こうした問題をなくすために、介護保険制度そのものの仕組みを問い直す必要がある。少な
くとも、保険料負担の大幅な軽減、利用料負担の中止は早急に具体化すべきである。また、障害者総合
支援法第7条を廃止し、障害者本人の選択でサービス利用ができるようにすることも必要である。このこ
とは、障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会の『骨格提言』にある、「介護保険対象年齢になった後
でも、従来から受けていた支援を原則として継続して受けることができるものとする」という提言と重なる
願いと言える。
最後に、「住民税非課税世帯の利用料無料化は、障害者自立支援法違憲訴訟で全国71名の原告と
弁護団が勝ち取った成果です。その仲間たちの努力を無駄にはしたくない」と浅田さんは訴える。
「浅田訴訟」への支援は、この国の社会保障のあり方を問う絶好の機会である。
障害者権利条約の批准に際して
佐藤 久夫
第5回 精神障害者をめぐる地域保健~地域保健はどうあるべきか~
高橋 ひとみ
第3回 彼らの考え、想いに沿うために~社会福祉講話から その1~
赤平 守
計画相談が相談支援の現場にもたらしたこと
三石 麻友美
本人・家族の思いを土台に計画を
澤地 かおる・本多 舞
相談支援に求められていること
宮城 僚太
作業を大切にしている障害者を支援する私たちの作業とは
~東日本大震災と東京電力福島第一原発事故がもたらしたもの~
渡邉 忠義
蔭山 武史
全国社会就労センター協議会
天上への発信
花田 春兆
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