13年7月18日更新
VOL.33-4 通巻NO.397
NPO法人日本障害者協議会理事 太田 修平
「差別解消法によって本当に差別はなくなるのか」「総合福祉部会の骨格提言の実現によって、障害者が皆地域
で暮らせるようになるのか」などなどが、頭の中を駆け巡ります。私の好きなテレビ番組の一つに「白熱教室」があ
ります。マイケル・サンデル教授によるものが有名ですが、今は世界各国の討論型授業が放送されています。
社会福祉の世界のみならず、この世の中には「なぜそうなの?」と投げかけたくなるものがいっぱいあります。でっ
かい部分で言えば、"憲法改正" や、"世界のグローバル化による貧困問題" などがそれに当たります。身近な部分
で言えば"組織のあり方" とか"家族のあり方" などです。
あたりまえと思っていたことに、一度疑問を投げかけてい
く、それを他の人々にぶつけてみる、そうすることによって新しい考え方が生まれたり、考えそのものが深化していっ
たりします。それが進歩につながるのではないでしょうか。
「白熱教室」の面白いところは、多様な価値観、意見を認めながら議論が進められるところであり、まずなによりも
自分自身の頭で考えることを大切にしていることです。
今回、JDの政策委員長となりました。何年かぶりです。以前よりも政策委員会に関わってくださる研究者も大幅に
増えている状況の中で、勉強嫌いな私にどこまで政策委員長を務めていけるか、これもまた疑問の余地があるとこ
ろですが、障害者団体における政策部門の責任者は障害者自身であるべきである、というのが私の持論です。今
回は、そういう私の提起を受けた形での就任となりました。
差別解消法のガイドラインづくり、障害者基本計画の策定、総合支援法の見直し、生活保護法改正問題など、JD
が政策集団として取り組まなければならない課題は山ほどあります。これらの課題について、社会全体の状況を見
据え、あるいは障害分野以外の人々との連帯も射程に置きながら、イキイキした政策を提起していきたい、それも
障害当事者の痛みをきちんと取り込んだものとしていきたいと考えます。
障害当事者、関係者、研究者が、それぞれの得意分野を生かし、共同作業をしていくことがとても重要なのです。
そして、政党の主張や人の頭を借りず、自分自身の頭で考えた意見や疑問を率直に出し合ったときに、イキイキ
したものがつくれるのだと考えます。もちろん他人を否定したり、中傷することは論外です。いろいろな考え方、見方
を認めあうことが大前提です。政策委員会がもっともっと白熱したときに、障害者運動がより魅力的なものとなるに
違いありません。
藤井 克徳
第183回通常国会閉幕─障害者に関わる法律の概要
地方自治体による障害者条例の可能性と課題
平野 方紹
地震と原発事故に伴う決断
大和田 みゆき
自分の足で自由に歩き続けたい
矢島 秀子
第1回 精神障害のある人をめぐる基本問題とこれから
増田 一世
尾上 裕亮
JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 51
鉄道身障者福祉協会
続々・・? 第四の男たち
花田 春兆
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