13年6月27日更新
VOL.33-3 通巻NO.396
NPO法人日本障害者協議会理事
公益社団法人日本理学療法士協会理事 山本 尚司
5月25日、NPO法人日本障害者協議会第2回総会が開催されました。昨年から理事を務めさせていただいて
いる私には初めての総会です。審議に先立ち、顧問の八代英太氏と板山賢治氏からあいさつがあり、印象的で
したので、そのことに触れたいと思います。
八代顧問からは、今国会で審議中の障害者差別解消法案について、名称が、当初想定されていた「障害者
差別禁止法」から、「障害者差別解消法」に変わったことへの懸念が述べられました。この法律については、多
くの障害者団体が納得しているものであると聞いていますが、民間事業者に関しての合理的配慮は「努力義務」
となっており、成立後にどのように、障害のある人を取り巻く環境や、社会全体の認識が変化するかは未知と言
えます。
2006年国連総会で採択された「障害者権利条約」については、日本はまだ批准ができていませんが、「障害者
差別解消法」は、批准に向けての歩を進めるものとして成立させなければならないものとなっています。しかし
ながら、成立ありきではなく、その後の実効性という点で、注視していくことが必要と言えそうです。
板山顧問からは、障害者福祉の実践という観点から、その課題と今後について熱く語っていただきました。障害
者福祉は制度改革と現場実践の両輪が大切であり、現場においては特に窓口となる専門職員の配置の必要性
が不可欠なのです。何故なら、障害のある人にとって、制度が日々の生活の中で実践されるかどうかが死活問
題となってくるからです。
専門職としてリハビリテーションに関わる、理学療法士、作業療法士などは、現場の抱えている問題を把握し
やすい立場にあり、常に社会制度の変遷と照らし合わせて問題提起をしていかなければならないと強く認識さ
せられました。
現在、国は「地域包括ケアシステム」という、団塊の世代が75歳以上となる2025年へ向けて、高齢者が尊厳を
保ちながら、重度な要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることが
できるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が、日常生活の場で一体的に提供できる地域での体制づくりを
推進しています。
つまり、地域包括ケアとは、「生活と暮らし」「住みやすい街づくり」ということであり、障害者福祉のめざす方向
性と共通しています。
近い将来、障害者福祉政策が積み重ねてきた経験が、社会に還元されるべき時代が到来するのかもしれません。
障害者政策の動向とJDの活動
藤井 克徳
改正 道路交通法 が成立し、
無申告者への罰則と通報制度などが導入されます。
田所 裕二
弱者切り捨て─生活保護基準引き下げを考える─
萩崎 千鶴
きらら女川が再び輝く日
堀田 タカ子
福祉か雇用かという二者択一からの脱却
増田 一世
中田 郷子
JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 50
全国失語症友の会連合会
もう一人の人
花田 春兆
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