12年11月20日更新
VOL.32-8 通巻NO.389
NPO法人日本障害者協議会理事 佐藤 久夫
1993年からの第1期「アジア太平洋障害者の十年」では、12の行動課題、72の期限付き目標が
掲げられた。この目標には例えば「1997年までに『10年』記念切手を発行する」、「2000年までに
手話通訳者認定制度を確立する」、などがあった。
2003年からの第2期では、7つの優先領域と21の期限付き目標が掲げられた。例えば、「早期
発見、早期療育と教育」の領域では「2010年までに、障害児・青年の少なくとも75%が初等教育
課程を完全に修了できるようにする。」などとされた。
2013年からの第3期では、「インチョン戦略」という文書が使われる予定である。その草案には
10の目標、26のターゲット、50の指標がある。目標とは達成すべき望ましい結果、ターゲットとは
10年の間に達成すべき水準、指標とはこの達成状況を測定するデータの種類・性質のこととされる。
例えば、政治プロセスおよび政策決定過程への参加促進という第2の目標では、2つのターゲット
のうちの最初のものが政策決定機関への参加の保障とされ、指標として国会議員中の障害者の
割合や、障害分野の国の調整機関の委員の中での障害者の割合が上げられている。また、早期
療育と教育の拡充という第5の目標には、障害児と非障害児の初等中等教育への就学率のギャップ
を半減するというターゲットがあり、就学率や配慮された教材を利用している視覚障害児の割合な
どが指標とされている。
インチョン戦略では、権利条約の実行が焦点とされ、進捗を検証するためのワーキンググループ
を設置するなど多くの新しい取り組みがあるが、上記のような指標・ものさしを明確にしたモニタリ
ングが全面的に組み込まれていることが注目される。これにより、進歩や停滞が明確になり、国際
比較も可能となる。
わが国では新しい障害者基本計画が準備されつつある。来年度から第4期目に入るこの計画は、
これまでは「事業計画」にとどまり、主な検証の方法はサービスを実施する事業所の数や利用する
障害者の数であった。5年ごとの実施計画では被雇用障害者数など「成果」で検証する一部の項目
もあるが、全体的には事業計画である。
データには量的なものばかりでなく質的なものがあることを意識しつつ、新しい基本計画に成果
指標を組み込みたいものである。しかし短期間の検討では難しいことから、最初の2年間ほどの検討
によって詳細な指標とデータ収集の方法を定めるなど、柔軟な計画作りが求められる。
藤井 克徳
日本脳外傷友の会
「今後の運動に求めたいこと」
東川 悦子
全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会
「互いの自立が私たちの願い~障がいのある人と私たちきょうだい~」
田部井 恒雄
全国盲ろう者協会
「いつでもどこでも支援が受けられる制度づくりをめざして」
庵 悟
全日本手をつなぐ育成会
「全日本手をつなぐ育成会の「これからの展望」」
田中 正博
障害者雇用法制を巡る問題
安井 秀作
ILO159号条約・168号勧告制定の舞台裏
丹羽 勇
「すべての人々」への道 ノン・ハンディキャップ環境をめざして
八藤後 猛難病をもつ人々と障害者制度改革 PartⅡ 第5回
ひとりで悩まないで!─三重難病連の活動から見えてくる課題─ 河原 洋紀
権利を実現させる行動を! Action to make the right real!
〜APDF(アジア太平洋障害フォーラム)会議2012 in インチョン 10.26−29〜 荒木 薫
JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 44
NPO法人全国障害者生活支援研究会
『障がい者の孤独死』をテーマ 西沢 拓海
完全引退
花田 春兆
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