12年10月18日更新
VOL.32-7 通巻NO.388
NPO法人日本障害者協議会理事
社会福祉法人ぶどうの木・ロゴス点字図書館 館長 髙橋 秀治
私たちの生活の中でよくあることに、お互いに気にかけながら、具体的にどう関わっていいのかわからずに、
ついにふれ合いことなくやり過ごしてしまうことが案外多いものです。そのことがつもり積もって誤解を招き、不
信感に繋がっていくとしたら、厄介なことです。
例えば、町内の付き合いの中で、隣近所、互いに深入りもしないが無視もせず、ほどほどのお付き合いを
していた主婦が、急に視力がなくなり、表に出ても挨拶もできなくなった場合、どういうことが起きるでしょうか。
目が見えなくても主婦ですから、歩行訓練を受けた後、おぼつかない足取りで買い物などに出かけて行きます。
ところが、自分の頭で描いている町の地図の記憶と、現実の歩行はぴったり合いません。白杖を頼りにゆっくり
歩いていても、人の家の庭に入ったり、十字路やT磁路にぶつかると、体は思いとは別の方向に行ってしまいます。
その姿は近所の人の目にとまらない筈はないのですが、「どこへ行きますか」と言う声はなかなかかけられま
せん。どうしたものかと迷いつつ、じっと見つめるだけです。一方、白杖の女性は「誰か声をかけてくれないか」と
思っていますが、その期待はかなえられません。そのうち、町内とは関係のない行きずりの人が、「大丈夫ですか」
と声をかけてくれ、やっと救われた気持ちになります。
その後、目の見えない主婦の心に「近所の人は冷たい」という深い不信感が残ります。このすれ違いはどうし
たものでしょうか。
勿論、すべての人がそうだとは言えませんが、ここにはお互いの理解不足があります。障害
のある人は、障害がもたらす不自由さを廻りの人にわかってもらう努力をすること、また、その廻りの人は障害者と
どう関わるかを知る必要があります、お互いにわかり合わなければ「誤解」や「不信感」が募るばかりで、救いが
なくなります。
障害者総合福祉法をめぐるこの3年間の政府と障害者の動きは、一時は障害者の権利条約を背景にかみ合
ったかにみえましたが、結局それは表面的なものであることが明らかになりました。「うそつき」「裏切り」という
ことばが素直に出ても仕方ありません。相互理解というごく普通の認識の実践は容易なことではありません。
太田 修平
全国脊髄損傷者連合会
「障害者基本計画は理念と制度の結節点」
大濱 眞
全国社会就労センター協議会
「新たな「社会支援雇用」制度の確立を」
鈴木 清覚
全国ことばを育む会
「ハンディキャップをもつすべての子ども達の幸せを
求めて
―障がい者制度改革を中断させないために」
加藤 碩
日本盲人会連合
「当面する固有な課題」
大橋 由昌
差別禁止法の制定に向けて 第5回
差別禁止法に期待するもの 藤堂 栄子
1.障害者の就労支援について考えるフォーラムⅣ
~ILOなどの国際潮流と日本に問われているもの~ 9月4日(火)
2.障害者労働・雇用国際フォーラム2012
~社会支援雇用制度の創設に向けて~ 9月25日(火)
JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 43
障害者(児)を守る全大阪連絡協議会
記憶再生
花田 春兆
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