13年1月18日更新
VOL.32-10 通巻NO.391
NPO法人日本障害者協議会代表 勝又 和夫
昨年末、3年3カ月前の政権交代の熱い夏以来の衆議院総選挙が実施されました。12党が乱立
するという史上初めての様相でした。選挙結果はご承知の通りですが、8年前の「郵政民営化」、
4年前の「政権交代」に比しても「多様化の政策課題」を受けての多党乱立の中にあっても相変わ
らずのオセロゲームのような結果でした。「政権交代への失望感が強かった」とはいえ、選挙制度の
在り方や選挙区選挙での死票の増大、さらには投票率の低下等を考えると、改めて、選挙制度の
在り方の検討の必要性を感じるものでもありました。今回の結果は多様な民意の反映よりは、厳密
な多数決が優先され、耳を澄まさないと聴こえにくい弱い立場にある人たちの声が、どの党の公約
にも見当たらなかったこと等からも、打ち消されたという思いが残るものでした。
多党化の背景には、23年目を迎えるデフレ経済や膨大な国・地方の借金、貧困家庭の増大、グロー
バル経済での影響等、多くの問題が山積しています。ここでの「社会保障と税の一体改革」等の社会
システムの変革は、社会的に弱い立場にある人達が叩き合う社会の予兆を強く感じさせるものでも
ありました。
日本はいま、自助を基本とし、互いに助け合う共助で不足部分を補い、最後に公助が機能すれば良
いとする価値観が覆い尽す社会になってきています。そのような中で私自身が一昨年3月からの人
工透析の身になり、医療費助成制度が社会連帯として無料を基本に極めて低額の自己負担である
ことに社会の温かさを感じます。週3回・1回4時間の透析も社会から「頑張れ」と言ってもらえている
ようで、苦痛を大いに和らげてくれます。しかし、こうした思いの中で耳にする社会保障の抑制策とし
て、生活保護制度への風当たりが強まり、その見直し論議に首筋を寒くする思いもあります。保護費
の約半分を占める医療費に応益負担や就労に対するインセンティブを付加する試案が検討される
など、日本の最低の水準である生活保護にまでセットとしての「アメとムチ」が取り入れられようとして
いるのです。
国の破綻に傍観者でいることは許されないと理解していますが、弱きを挫く施策の辿り着く先に「脆く
て弱い社会」日本があるのではないかと憂い、そうさせないための決意を胸に改めて抱きながら、
新しい年を迎えています。
棟居 快行、佐藤 久夫、福井 典子
日本における保護雇用の可能性の検証を
~大阪府箕面市での社会的雇用の実践から~
栗原 久
工賃時給700円をめざして
武田 元
議論すらできない「段差」を残すべきか除去すべきか
八藤後 猛難病をもつ人々と障害者制度改革 PartⅡ 第7回
「改革の全体像(案)」で、今後の難病対策はどうなるのか 坂本 秀夫
デンマークの「改革」
磯野 博
再確認
花田 春兆
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