12年8月23日更新
VOL.32-5 通巻NO.386
NPO法人日本障害者協議会理事 白沢 仁
つい先日、石川県の民生委員・児童委員を対象にした研修会で講演をする機会を得た。「障害
って何?」「人権を保障するとは?」、講演テーマは障害者に関する基本問題。講演準備を進める
中、民生委員・児童委員ってどんな人達なんだろう?と素朴な疑問。その存在は知りつつ、実際に
どんなことをしているのか、恥ずかしながらほとんど知らないことに気づいた。
民生委員(児童委員も兼任)は、民生委員法(1948年施行)に基づいており、厚生労働大臣が委
嘱する特別職の地方公務員(非常勤)とされており、要援護者の生活に関する相談、助言や福祉
サービスの利用援助等、福祉事務所等への協力活動を行う民間奉仕者。無報酬(活動費は支給)。
現在、全国に約23万人。その前身は、1917年(大正6年)に岡山県で始まった「済世顧問制度」で、
実に今年で95周年の歴史を持った制度ということである(大正期の米騒動前後に各地で創設とか、
戦時厚生事業下では国家統制の一翼を担うとか、その歴史をもっと知りたいが…)。
厚生労働省の調査(平成21年度)を見ると、年間の総活動件数が約3270万件、うち相談支援が
750万件(高齢者が半数、児童2割、障害者1割)。一人あたりの月平均活動日数が10.7日。この
数字を見る限り、間違いなく「地域福祉」の要を担う制度の一つであり、要援護者の生活を支える
人達である。但し、自治体においては個人情報保護に過度に敏感な考え方から、要援護者の情
報が提供されていないとか。講演の際の質疑応答でも同様のことが多数指摘され、とくに障害者
(世帯)の情報が提供されない状況にあるそうだ(東日本大震災の支援活動においても問題に…)。
同省は、「民生委員に対する個人情報の提供等に関する調査」を行い、積極的に情報提供している
自治体の好事例集をまとめ、全自治体に発信したばかりである(平成24年7月17日事務連絡)。
民生委員には守秘義務が課せられている。その徹底と関連研修の積み上げを前提に個人情報
を適正に提供し、地域で問題を抱える障害者等に支援の手が届くようにする必要性を痛感する。
今回、石川県の民生委員・児童委員のみなさんに接し、そのまじめで献身的な活動にふれ、その
存在の重要性を知り、もっと日常的なつながりができたらと痛感した。
佐藤 久夫
全国心臓病の子どもを守る会
「自立支援医療の改善に向けて」
下堂前 亨
DPI日本会議
「骨格提言を武器に、地域生活の権利確立を!」
尾上 浩二
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
「字幕要望を継続―視覚的情報が命綱―」
小川 光彦
日本理学療法士協会
「制度改革における理学療法士協会の今後の取り組み」
山本 尚司
障害のある人と生活保護(上)
井上 英夫
差別禁止法の制定に向けて 第4回
差別禁止法に望むこと―障害女性の実態調査から― 臼井 久実子
難病をもつ人々と障害者制度改革 PartⅡ 第3回
難病や慢性疾患があっても地域で普通に暮らしていける環境づくり 三原 睦子
被災地へ JDF(日本障害フォーラム)支援センターのいま
JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 41
日本自閉症協会
発信
花田 春兆
総合リハビリテーションの新生をめざしてⅢ~地域での実践から~
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