11年10月19日更新
VOL.31-7 通巻NO.376
日本障害者協議会代表 勝又 和夫
2009年の戦後政治で最も本格的な政権交替の暑い夏から2年が過ぎましたが、
総理大臣は既に3人目となっています。郵政選挙の2005年からの旧政権でも、そ
の後毎年総理大臣が替わっていましたから、通算すると6年間で7人目の総理大
臣による新たな政権が出発したということになります。
野田新総理には、かつて国会対策委員長だった折に、国会議事堂の国対委員
長室で藤井常務とともにお会いしたことが鮮明に思い出されます。当時とは隔世
の間のする財政再建や財政規律を先ず口にし、増税を言う姿に、この国のこれ
からに不安を抱く人も少なからずいると思えます。ただし、政権演説では、糺すこ
とを糺した上で、との前提がついていました。
わが国の借金が900兆円を超え、年間予算の半分近くを借金である国債に頼る
というのは、正常とは言えない状況であります。また、この間入院して思ったのは、
月平均160万円以上の総医療費に対し、自己負担は月平均約30万円(その多くは
入院保険で補填)と、医療費だけをみても社会保障費の膨らみを痛感させられました。
司馬遼太郎の『坂の上の雲』に描かれた明治という時代の息吹。映画『オールウェ
イズ-三丁目の夕日』に描かれた高度経済成長を成し遂げた自信に満ちた昭和の
時代に対し、今の日本は、1990年のバブル経済の崩壊による失われた20年の中で、
少子高齢化による人口減少やグローバル経済での産業の空洞化等、先行きが不安
の中にいます。
こうした時代の風は、否が応でも私たちの暮らしのあらゆる場面に影響を与えます。
時代が変わり、政治が変わり、私たちの暮らしにも強い北風を感じる中で、私たちは
改めて自らの立ち位置を見つめ直し、時代や政治に翻弄されることなく、心を一つに
結びあえる仲間との絆をより確かなものにしなければ、と思っています。
こうした中、日本障害者協議会(JD)は昨年、発足30周年の節目でした。現在、特定
非営利活動法人の法人格取得をめざしています。さまざまな障害分野の当事者や事
業者、専門職団体等を会員とする幅の広い組織で活動を行なっているJDを、より確か
なものとすることにより、わが国の障害分野の前進のために役割を果したいと思いま
す。法人格認証にはまだ時間を要しますが、新生JDとしての新たな出発点とすべく思
いの中にいます。
私自身も、今年2月からの長い病院生活を越えた今、新たな気持ちで互いに理解し
合える仲間の大切さを痛感するとともに社会の風の厳しさを正面から受け止め、次の
頂に向かって、確かな歩みを始めなければと肝に銘じています。皆様のご支援、ご協
力をお願い致します。
吉本 哲夫
難病をもつ人々と障害者制度改革 第5回 各論3
筋無力症患者の実態と願い
山崎 洋一
難病をもつ人々と障害者制度改革 第5回 各論4
遠位型ミオパチーを取り巻くさまざまな課題
織田 友理子
障害のある子どもたちのいま 第7回
児童養護施設で生活する障害のある子どもたち木全 和巳
ポスト障害程度区分 第6回 最終回
連載を終えて
佐藤 久夫
JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 31
共用品推進機構
・JD東日本大震災被災障害者支援活動資金状況
“だから”だからなのだ。
花田 春兆
▼お申し込みは下記JD事務局へメール、電話、FAXなどでご連絡ください。
〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1 日本障害者協議会
TEL:03-5287-2346 FAX:03-5287-2347
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※視覚障害のある方向けのテキストデータ版もございます。
※ご不明な点はJD事務局までお問い合わせください。
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