11年10月3日更新
VOL.31-6 通巻NO.375
日本障害者協議会理事 春田 文夫
次女にとって、3・11の東日本大震災は、人生の大きな転換点となった。
遡ること、2010年の元旦午後。久しぶ りに家族一同が集まり、ワインに舌鼓を打ち
ながら正月気分を満喫していた。家族といっても、私と家内、バツ一の長女(看護師)
とその娘、次女のたった5人である。しかし思い思いに語り合う、平穏な時間であった。
突然、ソファーにくつろぐ次女から、異様な声が聞こえてきた。とともに次女は意識不
明、床に倒れたのである。とっさに(娘も、死んでしまうのか!)と。というのも前月であ
る年の暮れに、私の一番下の弟が急に亡くなったのだ。単身だった彼の通夜や葬儀
に私は走り回り、その2日後のハプニングである。ホッとしていた直後の出来事だった
ため、別れの恐怖が思い起こされて、例になくパニックを起こした。
なんとか長女の病院へ搬送した結果、なんと「てんかん」の診断である。(てんかん…。)
私の自慢である次女は、2つの大学を卒業し、獣医師として精力的に働いていて、学
会発表等も非常に熱心に取り組んでいた。毎日自信満々で生きている姿がまぶしく、
立派に育っていることが、本当に嬉しかった。
突然の元旦発作である。いつ起こるかわからない発作のため、メスを持てないし、生
きがいだった獣医師の仕事も、続けられない。病院の補佐役のお話も、お断りしてしま
った。(毎日が変わってしまった娘は、この先どうなるのだろう)。父として本当に心配し
た。一人暮らしから家族と一緒の生活に変わった次女は、まるで別人。家に籠って、笑
顔も消えてしまった。彼女に掛けることばも見つけられない自分に、無力感で一杯の毎
日だった。
ところが3・11をきっかけに、次女自らが「被災地のボランティア活動に、参加したい」と
申し出たのだ。彼女の前向きな姿勢に、私も大喜びでワゴン車をボランティア用にと提供、
娘の頑張りを心から応援した。そこで、彼女は出会うことになるのである。新しい、前向き
な人生のスタートとともに、良き人生のパートナーに。
まさか良き門出まで迎えられるとは露知らず、以前よりもまぶしいニコニコ笑顔で毎日
を輝かしている次女。てんかんそのものは、終生のことではあるけれど、共に歩むパート
ナーとともに、新しい次女のますますの輝きを、父として温かく見守っていきたい次第である。
東川 悦子
家平さん(元東京原告)の本、出版!!
障害者総合福祉法がめざすべき6つのポイント
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精神保健福祉士分野からの見解
木太 直人
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ALSの文化を認める社会に
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パーキンソン病の現状と問題点
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障害のある子どもたちのいま 第6回
障害児入所施設の現状吉田 重美
プラビダーコスタリカでの活動から 最終回坂下 共
JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 30
日本筋ジストロフィー協会
・JD東日本大震災被災障害者支援活動資金状況
・日身連セミナー
内からの発言
花田 春兆
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