12年2月14日更新
VOL.31-11 通巻NO.380
日本障害者協議会理事 福井 典子
心待ちしていた暖かい春の到来です。
新しい年が明けて、いただいた賀状にはいつもと違った深い思いがありました。東日本大震災と
原発事故からの復輿です。それは今を生きる日本人としての、各自の決意といってもいいものでした。
私たち障害者運動に携わるものにとっても、震災による障害者の被害の大きさと新たな障害を負っ
た人たちの苦しみが迫ってきます。災害に強い街は、日常的にも安全で住みよい街であることをしっ
かりつかんで、今年も要求を実現していかなければなりません。
障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会の一員として昨年8月の「骨格提言」のまとめに参画
した私は、今、あちこちに出向いて話をしています。主に障害者問題に係わっている方々のところで
すが、1年余りのこの会議での話し合いが如何に貴重なものであったか、心をこめて語っています。
そして、この提言の完全実施こそ、障害者が人間として普通に生きるうえで欠かせないものである
ことを熱く訴えています。
提出された提言は、厚労省での法制化を経て国会の場での議論に付されることになります。そこで、
どうしても私たちが立ち向かわなければならないのが、国民世論の構築です。
今、わが国は超高齢化社会に入っていて、高齢者の中には、目がかすむ、耳が聞こえ難くなった、膝
の痛みで歩行ができない等という人が増えてきています。ハンディキャップをもって生きている人が周
囲にも大勢います。障害の範囲に谷間を作らないというこの提言には、広範な難病といわれる人たち
にも広げていかなければなりません。つまり障害者問題の解決は、今や、全ての国民的課題だといっ
ていいでしょう。
しかし今、政府の進める「社会保障と税の一体改革」等にみられるように、一方では自助や互助・共助
が押しつけられ、公助が後景に追いやられようとしているのは許せません。
この情勢のなかで、私たちはいつでも、どこでも、勇気をもって、障害者の権利を主張し、理解を求め
ていかなければなりません。「障害者を閉め出す社会は弱くてもろい社会」だと謳ったあの国際障害者
年(行動計画)の決議が今ほど胸に響くときはありません。それは、文字通り本誌のネーム「すべての人
の社会」を、一日も早く実現していこうという私たちの覚悟にかかっているといえましょう。「今年こそは」
の決意を固めながら、決してあきらめない私たちの運動で、確実な足跡を残したいと切に考えているあ
けくれです。
藤井 克徳
柔道事故が生む障害者 小林 恵子
制度改革に向けた各地のうごき
障害者サービスと介護保険サービスの選択、併用を!
山崎 乙吉
こころの健康を守り推進する基本法の制定に向けて
増田 一世
難病をもつ人々と障害者制度改革 第9回 各論11
胆道閉鎖症の患者家族の問題と支援の課題
竹内 公一
難病をもつ人々と障害者制度改革 第9回 各論12
先天性心疾患患者の現状─いつでも、どこでも、安心して受けられる医療を─
下堂前 亨
障害のある子どもたちのいま 第11回
脱『子供の貧困』への処方箋~2.政策の提起 浅井
春夫
JD加盟団体訪問 いってみよう、聞いてみよう 35
日本言語聴覚士協会
五句に託して
花田 春兆
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