2006年 8月21日
厚生労働大臣
川崎 二郎 殿
日本障害フォーラム
代表 小川 榮一
精神科病院敷地内「地域移行型ホーム」、「退院支援施設」構想に反対する
緊急要望書
平素より、障害保健福祉分野に強い関心をお持ちいただき、またその施策の増進にご尽力いただいていることに対し、
心より敬意を表します。
さて人口比実数ともに世界最大の病床を抱えた日本の精神科病院の実態に対し、政府がいわゆる社会的入院患者の
退院支援を政策化したことを私どもは評価します。しかしながら、突然精神科病院敷地内に「地域移行型ホーム」「退院
支援施設」を作るという構想が出てきております。
病棟や病院の敷地内で病院の管轄にある「退院支援施設」や「地域移行型ホーム」を設置することは、入院している状況
と変わらず名目のみの「退院」となるのではないかという強い危惧を持ちます。この構想はいわば新たな施設収容政策であ
り、政府の掲げるノーマライゼーションの理念、および障害者自立支援法の障害者の地域生活の促進という目的と真っ向
から対立したものといわざるを得ません。
私ども日本障害フォーラムとしては、この構想の撤回を求めるとともに、退院支援に向け政府として責任のある予算措置
と政策をとることを求めます。